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育児参加経験が男性養育者の情緒応答性に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K12889
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関人間環境大学

研究代表者

鑓水 秀和  人間環境大学, 心理学部, 講師 (60808674)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード父子関係 / 親子関係 / 感情 / 表情 / コミュニケーション
研究開始時の研究の概要

本研究計画では,父親に与える育児参加経験の影響として,情緒応答性に焦点をあて,経験による変化を明らかにする。情緒応答性の測定については,日本版IFEEL Picturesを用いる。男性の育児参加の評価・測定について共通の方法がまだ存在しないため(加藤他, 2022),情緒応答性を高める育児参加内容については,研究1で探索的に検討していく。研究1で明らかとなった情緒応答性を高める育児参加内容を実証するため,研究2において父親の情緒応答性の縦断的比較を計画する。社会構造や政治・行政とは異なり,父親心理の視点から,自発的な育児参加が父親自身に与える影響を明らかにすることを本計画の目標とする。

研究実績の概要

本研究計画では,情緒応答性に焦点をあて,育児関与経験が父親による乳児の情動認知に与える影響を明らかにする。情緒応答性の測定については,乳児の表情写真からなる投影法図版である日本版IFEEL Pictures (JIFP) を用いた。母親を対象とした研究から,親の育児経験が多いと,子どもの行動や反応に,より敏感になると予想された (長屋,2009;小山他,2014)。そのため,育児関与経験の違いにより,男性のJIFPへの反応も異なるかどうかを探索的に検討した。
初年度はまず,父親17名,大学生10名の男性を研究対象とした。対象者にJIFP,育児関与経験,その他関連尺度への回答を求めた。JIFPへの反応は,関係性カテゴリーにもとづき,8カテゴリーに分類した (長屋,2009)。育児関与経験は,小山他 (2014) を参照し,過去1年間の「子どもを抱く」,「お風呂に入れる」など7項目への参加頻度を得点化し,育児関与スコアを算出した。
まず,悲しい,嬉しいなど“基本的情緒”に分類されるJIFPカテゴリーの数が,大学生より父親の方が有意に低かった。同時に,乳児と他者との関係や乳児の生理・思考状態を推測する他のカテゴリーへの反応が相対的に増え,父親の反応はより多様であった。また,父親のこの傾向は,先行研究における母親のJIFP反応の分類結果に比較的類似していた (長屋,2009)。次に,“基本的情緒”の反応数と育児関与スコアは負の相関関係が認められた。すなわち,育児関与スコアが高い男性ほど,“基本的情緒”反応が少なく,反応が多様であった。
これらの結果は,これまで育児に関与してきた頻度により,男性の情緒応答性が異なる可能性を示唆している。具体的にどのような育児関与が情緒応答性に影響するかを明らかにするため,引き続き詳細な検討を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間1年目に設定した研究課題を達成でき,計画通りに研究が進捗した。具体的には,研究実績の概要にて記述した通り,育児関与の違いにより,男性のJIFPへの反応も異なるかどうかを検討したところ,育児関与スコアが高い男性ほど,“基本的情緒”反応が少なく,反応が多様であることがわかった。

今後の研究の推進方策

研究期間1年目の課題を達成したが,研究遂行中に明らかとなった課題もあった。すなわち,研究期間1年目に研究対象とした父親が,比較的積極的に育児に関与している父親に偏っていた。この課題については解決策を講じて,既に計画通りに研究を遂行中である。具体的には,リクルート補助業者を通じた事前スクリーニング結果を用いて,対象者の選定を行った上でデータ収集を行った。また,情緒応答性に影響する育児関与項目の特定が2年目に残された研究課題である。これについても,当初計画された方法に加えてインタビューを実施した。2年目はこの分析を中心に進めていく計画である。
研究期間3,4年目には縦断研究を計画している。滞りなく進むように,使用する質問項目の特定などの準備を上記計画と並行して進めていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Can fathers' parenting experience affect paternal readiness and infant emotional recognition in Japan?2023

    • 著者名/発表者名
      Hidekazu Yarimizu, Sawako Nagaya, Yoko Hamada, Kako Inoue, Chiyo Chiba & Chikako Fukatsu.
    • 学会等名
      The 18th World Congress of the World Association for Infant Mental Health
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 父親の育児経験と乳児に対する情動認知の関係2023

    • 著者名/発表者名
      鑓水 秀和・長屋 佐和子
    • 学会等名
      第33回日本乳幼児医学・心理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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