重要な他者との対人関係の悪化を招き,精神的健康に否定的な影響を及ぼす個人の傾向として,自分の価値を何度も他者に確認するという再確認傾向が挙げられている。再確認傾向は重要他者からの拒絶を招き,抑うつが悪化するという下方螺旋過程を引き起こすことが示されている。しかし,確認が繰り返されるメカニズムや,下方螺旋過程について,先行研究では重要他者側の要因や,二者間の相互依存的影響過程に着目した検討が不足している。そこで本研究では,二者間の相互依存的影響過程という観点から,再確認傾向が繰り返されるメカニズムと,下方螺旋過程ならびにその調整要因について検討を行う。
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