研究課題/領域番号 |
23K12902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
沼田 あや子 白梅学園大学, 子ども学部, 特任講師 (50866283)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / ジェンダー / 女子 / 幼児 / 支援 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)傾向のある女子は、思春期に心身の不調により初めて発達の偏りに気づかれることが多い。本研究の目的は、発達の偏りがあっても思春期まで相談に繋がらなかった女子が、幼児期~学童期前期の集団生活・家庭ではどのような困難を抱えて、それがどのような表現となっていたかを後方視的インタビュー調査によって明らかにするものである。そのため本研究では、保育者、教師、母親、本人の4つの側面の質的データを収集する。これらのデータを分析し、幼児期・学童期前期の関係性において、ASD傾向のある女子に特徴的な困難とその表現の一定の傾向を明らかにし、女子への早期支援の方法を提案する。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症傾向のある女子研究についての国内、海外の文献を集め、最新の研究動向をまとめた。そのなかでも、幼児期にしばしば見られる、排泄(トイレ)にまつわる問題は、研究が十分とはいえないことがわかった。知的障害を伴う自閉スペクトラム症のある女児の身辺自立として扱う研究(Leader,et.al,2018)、衛生観念の欠如として扱う研究があるのみであった。しかし、社会的・心理的要因がある可能性については示唆されていた(Leader, et.al,2018)。また、自閉スペクトラム症のある女子研究において、Hendrickx(2015)が、トイレ問題を抱えるASD女子生徒が多いことを指摘しているが、要因までは十分に考察されていなかった。 それらの先行研究をふまえて、支援実践におけるいくつかの事例では、他者と関係を築く過程での心理的葛藤の表れとしてトイレ問題があるという可能性が見られ、今後調査を進めて行く。 現在、本研究の研究協力者を募り、インタビュー調査のためのインフォームドコンセントを進めているところである。並行して、日本発達心理学会第35回大会シンポジウムにおいて、発達特性が強く集団適応が難しい女児のトイレにまつわる問題の事例報告をおこない、検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は所属大学の任期が終了する年度であり、異動に伴う準備により、研究時間が十分もてなかった。また、異動により居住地が変わったため、すでに候補に挙がっていた研究協力者へのインフォームドコンセントとインタビューは長期休暇時に限られることになり、進捗が遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の夏に、インタビューを実施する予定である。その後、年度内に分析を進め、学会で発表し内容を精査し、次年度には論文化する予定である。
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