研究課題/領域番号 |
23K12913
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
飯島 有哉 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (90909714)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自殺能力 / 自傷行為 / 自殺リスク / アセスメント / 自殺予防 |
研究開始時の研究の概要 |
自傷行為の経験を有する者は自殺既遂のハイリスク群であることが知られている一方で,自傷行為がどのように後の自殺リスクを高めるのかは明らかにされていない。本研究の目的は,「自殺能力」に基づき状態像に応じた自傷行為と自殺リスクの横断的・縦断的関連性について検討し,自傷行為者における自殺行動メカニズムの解明に貢献することである。
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研究実績の概要 |
自傷行為の経験を有する者は自殺既遂のハイリスク群であることが知られている一方で,自傷行為がどのように後の自殺リスクを高めるのかは明らかにされていない。本研究は,「自殺能力」に基づき状態像に応じた自傷行為と自殺リスクの横断的・縦断的関連性について検討し,自傷行為者における自殺行動メカニズムの解明に貢献することを目的としている。 2023年度は,自傷行為者における自殺企図と自殺能力との関連性について,自殺企図の経験をもつ自傷行為者(調査実施時には臨床的に寛解している者)を対象としたインタビューデータを分析し,質的な検討を行なった。その結果,自殺企図の中断要因のひとつとして,自死を目的として特定の行動の準備をすすめたものの,その過程で致死性の予測をもてなくなることである〈自死の不達成の予測〉という概念が抽出された。また,いずれの自傷行為者も,それまでに行なっていた自傷行為とは異なった行動を自殺企図時に選択していた。したがって,致死的な行為に関する知識やその予測といった自殺能力の構成要素が,自傷行為者においても致死的な自殺行動を実行するかどうかの差異に関連していることが示唆された。 今後は,自傷行為者が自殺行動の実行へと至るにあたって,自殺能力が媒介要因として関連するのか,あるいは調整要因として関連をするのかといった,自傷行為と自殺行動との関連性に対する自殺能力の影響性について検討を進めていくことが求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自殺能力に基づいた自傷行為と自殺リスクとの関連について質的検討を実施し,量的検討の実施準備を整えられたため。
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今後の研究の推進方策 |
自殺能力に基づいた自傷行為と自殺リスクとの関連について量的検討を実施するために,本邦で適用可能な自殺能力の測定指標の開発を行う予定である。
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