研究課題/領域番号 |
23K12915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
菊池 志乃 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90865685)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 認知行動療法 / オンライン / 情報通信技術(ICT) / オンデマンド動画 / オンライン治療 |
研究開始時の研究の概要 |
認知行動療法(CBT)は、薬剤抵抗性の過敏性腸症候群(IBS)に有効な治療法であるが、医師や臨床心理士といった治療者の不足や、費用負担などの課題から、臨床での普及は進んでいない。本研究の目的は薬剤抵抗性IBSに対する治療者による短時間ガイドを伴う、インターネットを介したCBT(iCBT)プログラムを開発し、その有効性と費用対効果を無作為化比較試験で検証して、IBSに対するCBTの普及に向けた科学的根拠を創出することである。本研究の目標は実臨床におけるIBSに対するCBTの普及と実装であり、薬剤抵抗性IBSの治療選択肢拡大への貢献が期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は過敏性腸症候群(IBS)に対する内部感覚曝露を伴う認知行動療法(CBT-IE)の有効性および安全性、費用対効果を検証するための、ランダム化比較試験の研究実施体制の整備およびプロトコルの作成、倫理委員会の審査を受け、承認審査が得られたため2023年11月よりリクルートを開始した。 具体的には、介入群はCBT-IEを実施し、対照群として疾患教育をどちらも10週間のプログラムとしてオンライン上で提供する形のプログラムを作成した。両群におけるプログラムの内容は、以前わたしたちが行った「IBSに対する集団CBT-IEに対するランダム化比較試験」で有効性が報告されたプログラムを元にしており、e-ラーニング用に動画とテキストの形に作り直している。また、背景情報および評価といったデータ管理と、e-ラーニングプログラムの管理のために、米国の医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)に準拠したデータ収集・管理システムであるREDCapでプログラムの構築を行った。また、ランダム化に際してコンシールメントが保たれるように、コンピューター割り付けを行える環境の整備も行った。 現在リクルートのためにパンフレット、ポスターなどの貼付や、関連病院でのリクルートを進めると同時に、オンライン上でのリクルートについても並行して行っている。また、eラーニングにおけるデバイスの不具合については参加者のフィードバックを得つつ、適宜研究者側でもテストを行いつつ、パソコンやスマートフォンなど異なるデバイスでも対応できるように改訂を行っている。 来年度に向けては、本研究に関するプロトコル論文の投稿および、本研究のプロジェクトの遂行に向けた継続的な参加者のリクルートおよびプログラムの提供を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
集団療法のためのプログラムとして作成された内部感覚曝露を伴う認知行動療法(CBT-IE)を個人用かつe-ラーニングが可能な動画、テキストの形として、再度プログラムの開発を行った。研究者間でプログラムの確認を行い、動作の不具合に対しては適宜修正を行っている。 本研究に関するプロトコルを倫理委員会に提出し、承認が得られたためリクルートを2023年11月末から開始し、2024年3月末で26名が適格基準を満たし、2群に割り付けを行った。リクルートは現在もソーシャルメディア、ホームページ、パンフレット、ポスター、関連機関で行っており、オンライン会議システムを用いてオンライン上で適格性のチェックを行い、コンピューター割り付けを実施している。 今後はリクルートを継続しつつ、新たな不具合に対応すると同時に脱落の予防や、フォローアップの評価に対するリマインドなども継続的に行っていく。とくに、開始が11月末であり、年末年始、および年度末に重なったためリクルートが進まなかったこともあり、リクルートに力を入れつつも、すでに介入が始まっている、もしくは終了した参加者へのフォローアップについても行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
リクルート方法として、ソーシャルメディアからの参加者が多かったこともあり、ソーシャルメディアを用いた広告を行っていく。ただし、入り口が広くなりすぎて適格基準を満たさない応募者が増える可能性もあるため、応募時点である程度選別できるように、適格基準をわかりやすい形で応募のページに記載するなど工夫を実施する予定である。 また、倫理委員会での審査、承認および研究登録システムへの登録が完了しているため、プロトコル論文の出版に向けて準備を行っていく。
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