研究課題/領域番号 |
23K12921
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
畑 琴音 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60962355)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Psycho-oncology / Environmental reward / Values / Depression / Anxiety / Self-help program / Peer-support / Cancer / Clinical psychology / Peer support |
研究開始時の研究の概要 |
がんに罹患した後も人生や生きがいにとって重要な活動を保ちながら療養を継続することが重要とされている。一方で、がん経験者が精神症状を抱えることは多く報告されており、そうした活動を行うことが難しいがん経験者も多い。本研究の目的は、がん経験者に対して、人生の価値観や生きがいに沿った生活を送ることを目指したプログラムを、がんのピア・サポーターが実施したときの有効性を検討することである。
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研究実績の概要 |
若手研究の研究課題「がん経験者の生きがいに着目した心理的支援のピア・サポーターによる実施の効果検討」に関する初年度の研究活動としてピア・サポーターによる支援の整備に向けた、臨床試験の準備、資材改定および研究実施のためのリクルート、関連論文の執筆・研究発表などを行った。 前期(~9月)は、研究1として実施する臨床試験で用いるプログラムの広報を目的として、がん経験者が参加する患者大会等に参加し、ピア・サポーターによる支援の現状について情報収集を行った。プログラムの背景理論となる、活動抑制が報酬知覚を下げ、抑うつを悪化させるモデルを検討した結果がJournal of Psychosocial Oncology Research and Practice(国際誌;学術論文2)に採択された。そして、本試験の結果やがん経験者支援の展望に関して、World Congress of Cognitive and Behavioral Therapies (WCCBT)にて、韓国とアメリカで活躍する関連領域の研究者とともに自主企画シンポジウムを実施した(学会発表2)。 後期(10月~)は、対象者リクルートのための関連機関との会議、ならびに介入実施者のトレーニングマニュアルの準備などを行った。また、本RCTの臨床応用可能性について、第41回の日本社会精神医学会ならびに第36回日本サイコオンコロジー―学会総会におけるシンポジウムで話題提供を行い(学会発表5、6)、話題提供の内容を同雑誌に論文としてまとめた(学術論文5)。備考として、本研究に関連する研究課題として、研究活動スタート支援の助成を受けて行っている「がん経験者の生きがいや価値観に着目した心理的支援の効果検討:ランダム化比較試験」があり、関連する研究業績が重複している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1として実施する臨床試験の資材準備やリクルート活動は予定通り行った。また、本研究の背景理論に関する論文も国際誌に採択された。また、研究1の効果を検討する指標として、がん経験者の病気に関する思考やイメージを測定する尺度が必要となり、開発に向けたインタビューを追加研究として行うこととなった。追加研究の進捗に伴い、研究1の臨床試験の進捗がやや遅れている現状にある。
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今後の研究の推進方策 |
研究1の指標作成の一環として実施している追加研究について、2024年前期(8月頃)までにはインタビューを終了予定であり、2024年度末には指標の開発が終了する見込みである。本研究と並行して、研究1の臨床試験実施に向けて、8月頃までに倫理申請を行う。10月に開始が許可されたのち、リクルートを行う関係機関を確定する。介入者のトレーニングも進め、有資格の介入者が3名ほど確保できるようにする。2024年度内には、研究1の臨床試験を開始できるよう、準備を進めていく。さらに、ピア・サポーターの現状を聴取する予備研究も行っていく予定である。
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