研究課題/領域番号 |
23K12928
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 拓海 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任研究員 (30879820)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 運動主体感 / 運動制御 / フィードバック制御 / ヒューマン・コンピュータ・インターフェイス / 計算論的モデル |
研究開始時の研究の概要 |
環境との適切なインタラクションのため,ヒトは自分が制御可能である対象とそうでない対象を素早く判別し,前者に対して効果的に働きかける必要がある。しかし,自分がある対象を制御しているかどうかという主体判断,あるいはその主観的感覚である主体感と運動制御のメカニズムはこれまで独立に研究されてきた。したがって本研究では,二つの機能を同時に検討可能な実験課題を開発し,それらを結ぶ心理的,神経科学的メカニズムを解明することを目指す。システムが複雑化し,他者やコンピュータとの共同作業が一般的となった現代社会において,本研究で得られる知見は制御対象の誤認識によるインシデントのリスク抑制に貢献すると期待される。
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研究実績の概要 |
環境との適切なインタラクションのため,ヒトは自分が制御可能である対象とそうでない対象を素早く判別し,前者に対して効果的に働きかける必要がある。しかし,自分がある対象を制御しているかどうかという主体判断,あるいはその主観的感覚である主体感と運動制御のメカニズムはこれまで独立に研究されてきた。本研究では,二つの機能を同時に検討可能な実験課題を開発し,それらを結ぶ心理的,神経科学的メカニズムを解明することを目的としている。 本年度は,運動制御と主体感のオンラインなインタラクションの検討を可能とする新たな実験パラダイムの開発を行い,その妥当性を検討した。従来の運動制御課題では,実験参加者はマウスやジョイスティックを使って,画面上に提示される単一のカーソルを操作する。一方,本研究が提案する課題では,主体判断が必要とされる状況を生み出すため,参加者が制御する真のカーソルと同時に,コンピュータが制御し,自動的に移動する偽のカーソルを提示した。この課題における運動制御は,参加者がある時点でどちらのカーソルを制御していると信じているかに依存する。これにより,参加者がどちらのカーソルを動かそうとしているかを運動軌跡から推定する計算論モデルを構築した。参加者に言語報告を求めることなく,運動中の主体感をオンラインに推定する技術の確立は,本課題が目標とする実証研究の強力なツールとなるのに加え,工学的な応用に直結する大きな価値を持つと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,実験課題とモデリングによる解析方法の開発とその妥当性の検証に成功している。本研究に関する成果の一部は、既に国内外の学会において発表し、現在成果を論文としてまとめる準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通り計画に沿って研究を進める。コロナウィルス等に関わる社会情勢の変化によって対面実験の実施が困難となった場合には、速やかに実験計画を変更し、Web上での実験が実施できるよう対処する。
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