研究課題/領域番号 |
23K12947
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
田森 宥好 芝浦工業大学, システム理工学部, 助教 (40974895)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | Strichartz評価 / 極小表現 / (k,a)-一般化Laguerre作用素 / Schrödinger方程式 / 変形I-Bessel関数 / Gegenbauer多項式 / 積分核 / 分岐則 |
研究開始時の研究の概要 |
実単純Lie群Gの極小表現とは、無限次元表現の中で特別に小さいもののことを言う。実シンプレクティック群の被覆群の調和振動子表現の既約成分は極小表現の代表的な例であり、調和振動子の束縛状態全体としての構成や、テータ対応(部分群の表現と見た時の分岐則を介して得られる、互いに可換な二つの群の表現の部分対応)を通じて数理物理、特殊関数論、表現論において重要な役割を持つ。本研究では、極小表現の幾何的で具体的な構成を介して、極小表現をGの対称部分群やreductive dual pairの表現とみなした時の分岐則のより詳細な記述や、今までに知られていなかった記述を得ることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
aを正の実数、kをN次元ユークリッド空間内のルート系上の鏡映群不変な非負関数とする。BenSaid-小林-OrstedはSL(2,R)の普遍被覆群と鏡映群の直積のユニタリ表現をN次元ユークリッド空間上のL2空間に構成し、特殊直交群SO(2)の普遍被覆群の作用が虚軸での作用となる(k,a)-一般化Laguerre半群という正則半群の積分核を特殊関数の積の無限和の形で与えた。この半群は(|x|^{2-a}L_k-|x|^a)/aという微分差分作用素で生成されており(L_kはDunklラプラシアン)、特別な場合((k,a)=(0,2),(0,1))にはHermite半群やLaguerre半群というよく知られている半群と一致する。 これらの特別な場合で成り立つことが知られていたStrichartz評価が、例えばNが2以上の時に1<=a<=2または0<a<1かつk=0ならば(k,a)-一般化Laguerre半群に対しても成り立つことを示した(平良晃一氏と共同)。この結果は変形パラメータaが1や2より大きいかどうかで作用素の解析的な性質が変わってしまうことを意味する。 証明では、先行研究で変形I-Bessel関数やGegenbauer多項式を用いた無限和として与えられていた半群の積分核を一様に評価することが必要となる。Poisson和公式を用いて積分核を積分の無限和へと書き直して位相停留法を用いる方法と、積分核の複素領域上での積分表示を与えて上手く積分路を変形して評価する方法の2通りの証明を与えた。前半の手法は論文として投稿し、後半の手法に関する論文は執筆中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来の研究目的である極小表現に関するテーマではないが、極小表現に関連する解析という関連テーマの研究成果を得ることができているため。
|
今後の研究の推進方策 |
複素解析的な手法による(k,a)-一般化Laguerre半群の積分核の評価に関する論文を完成させ、発表する。
|