配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究開始時の研究の概要 |
本研究は, クレパント解消と呼ばれる幾何学的対象を, 非可換クレパント解消と呼ばれる代数的対象の理論によって研究するものである. 特に, Halpern-LeistnerとSamにより研究された擬対称表現から定まる商特異点のクレパント解消の導来圏の理論を, Van den Bergh や Iyama--Wemyss らによる非可換クレパント解消やその変異の理論を用いて再解釈し, それにより幾何学的視点のみからでは得られなかった新たな結果を, 非可換代数の理論から得ることを目指す.
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研究実績の概要 |
本年度は, 擬対称表現に付随する商特異点の非可換クレパント解消の変異に関する研究を原氏と共同で行った. 本研究の目的である代数トーラスの擬対称表現Xに付随するGIT商の導来圏へのある種の基本群の作用の忠実性を示すために, 当初の計画通りその群作用を商特異点の非可換クレパント解消の間の変異と呼ばれる操作の合成で記述した. さらに, この代数トーラスに対する結果を一般の連結な線形簡約代数群に対して拡張した. 代数トーラスでない場合でも, 代数トーラスの場合と同様に変異の合成に対応すると期待していたが, 変異の一般化となるある種の操作の合成に対応することがわかった. この操作に関する基本的な性質について調べ, いくつかの命題を証明した. さらに, 代数トーラスの場合の結果を, 重み付き射影空間内の完全交差カラビ・ヤウ多様体の導来圏への超弦理論的ケーラーモジュライ空間の基本群からの作用を, 対応する擬対称表現の商特異点の非可換クレパント解消の間の変異の合成で記述した. また, 主結果の応用し, 原氏のA型の極小冪零軌道閉包の非可換クレパント解消に関する結果を, より一般のトーリックハイパーケイラー多様体へ拡張した. この結果は, 雑誌「Selecta Mathematica」へ掲載されることが決まった. 本年度はさらに, 大内氏と共同で三角圏の長さという新たな概念を導入し, 滑らかな代数曲線の導来圏の長さを計算し, さらに有限な長さのthick部分圏を全て分離した. さらに, ジョルダン・デデキンド性質という概念を導入し, いくつかの三角圏がその性質を満たすことを示した.
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