研究課題/領域番号 |
23K12966
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
林 晋 青山学院大学, 理工学部, 助教 (70807833)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 指数理論 / K理論 / 高次トポロジカル絶縁体 / 四半面テープリッツ作用素 / 角状態 |
研究開始時の研究の概要 |
物性物理学において活発に研究されている高次トポロジカル絶縁体におけるトポロジーについて, 数学における指数理論の立場からの研究を行う. 特に離散四半面上で定義される四半面テープリッツ作用素の指数との接点を手がかりとして, 高次トポロジカル絶縁体の特徴量と指数理論の関連の明確化に取り組む. また四半面テープリッツ作用素の指数の背後にある幾何学的描像に着目し, 角と関連したトポロジーにおける境界の役割の解明等を通して, ある種の“高次”の対象としての視点の数学的解明に取り組む.
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研究実績の概要 |
本研究は指数理論と物性物理学のトピックである高次トポロジカル絶縁体の接点に着目し、高次トポロジカル絶縁体研究におけるトポロジーの数学的位置付けの解明に取り組むものである。それらにおいて特徴的な角とトポロジーの関係の理解を深めるとともに、高次トポロジカル絶縁体のトポロジーを取り扱う数学的理論基盤のさらなる開拓も目的とする。 研究初年度である本年度は、高次トポロジカル絶縁体研究で知られているバルク・コーナー対応を指数理論の立場から検討する研究を行った。高次トポロジカル絶縁体研究では、系に点群対称性を課した上で系の内部(バルク)の特徴量と角に局在した波動関数(角状態)の関係のあることがバルク・コーナー対応として知られている。バルクの特徴量としては対称性指標がある。研究の結果として、長方形状の系をモデルとしたある特定の状況において、空間反転対称性を保つ2次トポロジカル絶縁体における対称性指標を、ある種の指数と関連したものとして理解できることを確認した。指数としては四半面テープリッツ作用素のフレドホルム指数を用いる。この結果は現在論文にまとめているところである。さらにトポロジカル角状態の研究と関連して、以前我々が展開した四半面テープリッツ作用素の指数公式において現れた幾何的状況について、さらに多様な場面での展開の可能性を検討するための情報収集を行なった。 さらにトポロジーと材料科学の接点をより一層開拓する取り組みとして、工学の研究者との議論等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バルク・コーナー対応を特定の場合に指数理論の立場から議論できることを確認することで、指数理論と高次トポロジカル絶縁体におけるトポロジーの接点がより明確になりつつある。このことは当初の目的に沿うものである。異動が続いたことにより進展としてはやや不満のある面は否めないものの、研究自体は概ね順調と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
まずは得られた成果を論文にまとめる。得られた成果は特定の状況に限るため、さらに多様な系への展開を検討する。また本年度の情報収集をもとに、さらに多様な場面で本研究が着目する幾何的状況を検討する。
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