研究課題/領域番号 |
23K12967
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
櫻井 陽平 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90907958)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 優Ricci流 / 平均曲率流 / 重み付きRicci曲率 / 比較幾何学 / 測度距離空間 / 境界付きRiemann多様体 / 幾何学流 / Kahler多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
Riemann幾何学および関連分野の発展において,比較幾何学と呼ばれる手法が重要な役割を果たしている.近年,爆発的な進展を遂げている曲率の下からの有界性の概念を持つ特異空間の理論においても,比較幾何学が主導原理の一つとなっている.本研究では,従来深く研究されてこなかった空間上の比較幾何学を推し進め,それに基づく幾何学的理論の構築を試みる.特に,境界付きRiemann多様体,幾何学流に沿って時間発展するRiemann多様体,Kahler多様体に焦点を当てる.それぞれの研究対象に対して適切な曲率条件のもとで比較定理を導出し,それを用いて幾何解析,空間の収束理論,特異空間の理論の展開を図る.
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研究実績の概要 |
当該年度は主に國川慶太氏(徳島大学)と共同で優Ricci流(Ricci流の優解)に関する研究を行った.最近Bamlerは高次元Ricci流の特異モデルを記述するという動機から,Ricci流に対する新たな収束理論を確立した.まず彼はRicci流をより広い観点から研究する枠組みとしてmetric flow,さらにその列に対するF収束という概念を導入した.そして優Ricci流の列に対するプレコンパクト性定理を示し,非崩壊Ricci流の列のF極限空間の正則性を明らかにした.これはRicci極限空間(Ricci曲率が下に有界なRiemann多様体の列のGromov-Hausdorff極限空間)の構造理論の時間依存版,ならびに平均曲率流(Brakke流)に対する収束理論の内在版としての側面を持っている.我々はRicci流に限らず,より一般の優Ricci流の列のF極限空間の正則性を明らかにすることを目標とした.Bamlerによる正則性理論では,Nashエントロピーと呼ばれる単調量に関する概剛性が鍵となる.我々は彼の概剛性を優Ricci流でありかつMullerにより導入されたとある量が非負であるものに対して拡張した.この対象は我々の先行研究で既に扱っていたものであり,調和写像流との混合流やLorentz多様体内の平均曲率流などを例として含んでいる.これらの成果を論文に纏め,一旦arXivに公開した.その後,筑波大学でこの話題に関する集中講義を行ったが,準備段階で多くの知見を得ることが出来た.現在はそれを反映させる形で論文を修正中である. 他にも國川氏と共同で余次元の高いself shrinker(平均曲率流の自己相似解の一種)に対するMorse指数評価や藤谷恭明(大阪大学)と共同で重み付きRicci曲率で次元パラメーターが0のものに関する研究を行った.これらも論文を準備中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幾何解析の様々な話題について,それぞれ一定の研究結果が得られたため.
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今後の研究の推進方策 |
まずは当該年度に得られた研究成果を論文に纏め,査読付き学術誌に投稿することが目標である. 我々は以前Ricci流の古代解に沿う熱方程式の解に対してLiouville定理を得ていたが,それをColding-Minicozzi型のLiouville性質にまで拡張できるかは懸案事項であった.Bamlerによる最近の進展を学んだことにより,この問題にアプローチ出来る可能性が出てきておりそれを検証する.またBamlerの理論についても引き続き理解を深めつつ,適当な問題を立てて解決していく.
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