配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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研究実績の概要 |
ミラー対称性を背景とした構造定数の正値性予想をRoger--Yangスケイン代数に対して定式化した. 正値性予想を定式化するためにブレスレット基底を与え, 正値性を満たす基底すべての「下限」になっていることを示した. 特に, ブレスレット基底は先行研究からは予想できない形をしており, 興味深い現象を捉えている. 先行研究を鑑みると, 量子パラメータが1の冪根のときにブレスレット基底の特定の元たちはRoger--Yangスケイン代数の中心に入っていることが期待されるが, 実際にその性質が成り立つことも示しており, 筋の良い研究であることの裏付けになっている. Bloomquist氏(Morningside University)とLe氏(Georgia Institute of Technology)との共同研究として, (被約)状態付きRoger--Yangスケイン代数を導入し, この代数が量子トーラスに埋め込めることを示した. この帰結として, 上記の代数が零因子を持たないことや, 有限生成であることが分かった. 同共同研究では, 閉曲面のスケイン代数や穴あき曲面のRoger--Yangスケイン代数に対して曲面のパンツ分解を用いてフィルトレーションを定め, これらの随伴次数付き代数が量子トーラスへ埋め込めることも示した. この帰結として, Roger--Yangスケイン代数は飾り付きタイヒミュラー空間の量子化であることを示した(Roger--Yang予想の解決). 特に, Moon--Wongが別の手法でRoger--Yang予想を解決しているが, 彼らの証明は1の冪根の場合には機能しない. 我々の証明方法は1の冪根の場合にも適用できるという点で, 大きなメリットがある.
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