研究課題/領域番号 |
23K12979
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
赤嶺 新太郎 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50825148)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 時間的極小曲面 / ローレンツ調和関数 / 等長類 / 反等長類 / 対称性 / ローレンツ・ミンコフスキー空間 / 極小曲面 / 極大曲面 / 調和関数 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,現在独自の発展を遂げつつある調和関数の理論をユークリッド空間やミンコフスキー時空,アイソトロピック空間等の複数の空間内の平均曲率零曲面の理論へと持ち込み,曲面の特定の境界に対する対称性についての未解決問題を始めとして,従来解決が困難であった諸問題にアプローチする.また,調和関数の単葉性理論の最新の研究結果を曲面論に持ち込むことで,平均曲率零曲面の変形で保存される性質の解明を行う.
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研究実績の概要 |
調和関数論を用いた平均曲率零曲面および関連する曲面論の研究の一環として,本年度は主に平坦な時空内の時間的平均曲率零曲面(時間的極小曲面)に関する研究を行ったほか,研究集会で積極的に講演を行った. 本年度は時間的極小曲面と呼ばれる不定値計量を持つ平均曲率零曲面の等長類,反等長類や対称性の研究を行い,従来のユークリッド空間内の極小曲面と比較して等長類に対する剛性の現れ方が異なることを解明した.とくにローレンツ・ミンコフスキー時空内の時間的極小曲面の組で,互いに等長だが,一方が他方の同伴族と呼ばれる曲面族のどの要素とも合同にはならないものを見出したほか,臍点や擬臍点を除外した状況では等長類や反等長類に対する剛性が従来通り成り立つことを明らかにした. これは極小曲面論におけるSchwarzの剛性定理が,ローレンツ計量を持つ曲面の場合においては,臍点や擬臍点といった特殊な点を除外する必要があることを示している. また,等長変換に関連する結果として,対称性の保存則についても考察した.具体的には,ユークリッド空間内の極小曲面の向きを保つ等長変形については対称性を記述する空間群が保存されるといったMeeksによる結果が知られているが,それを時間的極小曲面の等長変形や反等長変形に対して考察した. それらの結果を論文「Isometric and anti-isometric classes of timelike minimal surfaces in Lorentz-Minkowski space」として取りまとめて投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時に予定していた複素数値の調和関数に関する一部の共同研究が今年度は行えない状況であったため,少し方針を転換し,かねてより行っていたローレンツ誘導計量を持つ極小曲面と関連するローレンツ調和関数に関する研究をまずは推進することにした. 論文の執筆や投稿,講演等を行ってはいるものの予定の変更があったため,進捗状況を「やや遅れている」とした.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,時間的極小曲面および関連したローレンツ調和関数の研究を進める予定である. 当初の目的であった調和関数の性質に関連した平均曲率零曲面の変形で保存される性質について,リーマン計量を持った場合のこれまでの研究成果を踏まえつつ研究を進めていく.
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