研究課題/領域番号 |
23K12981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀口 達也 宇部工業高等専門学校, 一般科, 准教授 (60780757)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ヘッセンバーグ多様体 / 部分旗多様体 / イデアル配置 / 対数微分加群 / GKMグラフ / modular law / 旗多様体 / ピーターソン多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
正則冪零ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環が正則半単純ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環の対称群の作用による不変部分環と環同型であることがこれまでの研究で得られている.また,正則冪零ヘッセンバーグ多様体と単位元周りのopposite Schubert cellとの交わりの座標環の明示的表示が,多項式環をさらに量子化された基本対称式たちで生成されるイデアルで割った剰余環の形で与えられることがこれまでの研究で得られた.本研究では,この観点から単位元周りのopen setにおける正則冪零ヘッセンバーグ多様体の特異性を調べ,正則半単純ヘッセンバーグ多様体との関係についても調べていく.
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研究実績の概要 |
当該年度において,次の2つの結果が得られた. (1)正則半単純ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環上に対称群の作用があり,この対称群の表現がmodular lawを満たすことをGKMグラフの観点から証明した.同様に,正則半単純ヘッセンバーグ多様体のツインのコホモロジー環上の対称群の作用がmodular lawを満たすこともGKMグラフの観点から証明した. (2)正則冪零ヘッセンバーグ多様体は(完全)旗多様体の部分多様体であるのに対し,正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体は部分旗多様体の部分多様体である.正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体の幾何について研究を行った.具体的には,正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体のポアンカレ多項式の公式として「和による表示」と「積による表示」を与えた.また,正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環が正則冪零ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環のあるワイル群の作用による不変部分環と環同型であるという結果も得られた.さらに,正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環がイデアル配置の対数微分加群のあるワイル群の作用による不変部分の言葉で記述できることも証明した.この結果は,以前に得られた阿部拓郎氏,枡田幹也氏,村井聡氏,佐藤敬志氏との共同研究による「正則冪零ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環がイデアル配置の対数微分加群の言葉で記述できる」という結果を正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体に拡張したものである.
(1)の結果を論文に纏め,arXivにアップした.(1)の研究は枡田幹也氏,佐藤敬志氏との共同研究である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように正則冪零ヘッセンバーグ多様体と正則半単純ヘッセンバーグ多様体に関する進展がそれぞれあったためである.
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今後の研究の推進方策 |
正則冪零ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環は正則半単純ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環のワイル群の作用による不変部分環と環同型である結果が阿部拓郎氏,枡田幹也氏,村井聡氏,佐藤敬志氏との共同研究により以前得られた.(A型の場合は阿部拓氏,原田芽ぐみ氏,枡田幹也氏との共同研究でこれより前に得られている.)この結果の一般化として,正則冪零部分ヘッセンバーグ多様体と正則半単純部分ヘッセンバーグ多様体のコホモロジー環の間の関係がどのようになっているのかを引き続き調べていく.
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