研究課題
若手研究
因果律にタイムラグを有する時間発展システムを時間遅れ系と呼ぶ.時間遅れ系の微分方程式モデルである遅れ型関数微分方程式は連続関数の空間において定式化されるにもかかわらず,線型方程式の基本行列解や非斉次方程式の定数変化法公式を得ようとすると,ある種の不連続な関数が生じるという概念的困難さがある.本研究では,この困難さを乗り越えて遅れ型関数微分方程式の力学系理論の基礎を整備する.また,今後の応用の探索も目標とする.