研究課題/領域番号 |
23K13039
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 真隆 東京大学, 物性研究所, 助教 (30911838)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 利得スイッチ / シングルショット / 半導体レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
従来のシングルショット分光法では、プローブ光の時間窓を調整するには、光学素子の配置をその都度調整する必要があり、一つの分光システムで観測できるダイナミクスの時間スケールに制限があった。本研究の目的は、利得スイッチ半導体レーザーとシングルショット分光法とを組み合わせることで、電気的なトリガー信号の制御のみでフェムト秒~マイクロ秒の広範な時間スケールで時間窓を任意に設定可能な分光システムを開発し、レーザー加工時に発生する不可逆過程の全てを一つのシングルショット分光装置で観測し、超高速なキャリアダイナミクスと構造変化との因果関係を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
申請者は、駆動エレクトロニクスを工夫することでパルス整形や繰り返し速度に柔軟な選択性を有する利得スイッチ半導体レーザーと、レーザー加工をはじめとする不可逆現象を観測可能なシングルショット分光手法とを組み合わせることで、電気的なトリガー信号を制御することで幅広い時間スケールで発生する不可逆変化ダイナミクスを一つの分光システムで全て観測することが可能な「マルチタイムスケール・シングルショット分光システム」を開発することを目的とした本研究を進めている。 本年度はシングルショット分光システムのシード光源に用いる半導体レーザーのパルス発生特性の理解に取り組んだ。市販されている変調帯域 30 GHzの1270 nm DFB半導体レーザーを光源とし、85ピコ秒の電気パルス励起による利得スイッチ光パルスを発生させたところ、最短で5.3ピコ秒の光パルスを計測した。この測定では、シングルモードファイバーによるチャープ補正を行うのみであり、スペクトルフィルタリングや非線形パルス圧縮など付加的な手法を用いていない。加えてスペクトル幅とパルス幅の積から、この5.3ピコ秒の光パルスがフーリエ限界パルスに近いものであることがわかった。この結果からこれまでの1500nm帯や1000nm帯の波長帯に加え、1300nm帯のLDでも10ps以下の短パルスを発生することが可能となり、本研究の目指すシングルショット分光システムの活用の幅が広がった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は分光システムのシード光源に用いる半導体レーザーの短パルス発生特性の理解に取り組み、変調帯域 30 GHzの1270 nm DFB半導体レーザーから最短で5.3ピコ秒の利得スイッチ光パルスを計測した。この研究結果を踏まえ、現在までの進捗状況を鑑みると、開発したキャリア注入用のパルス電源装置を用いた電気パルス励起により発振させた利得スイッチ半導体レーザーの波長帯を、これまでの1500nm帯や1000nm帯の波長帯に加え、1300nm帯のLDでも10ps以下の短パルスを発生することが可能であると確認でき、「マルチタイムスケール・シングルショット分光システム」の開発において進捗があったと考える。以上の見解から、本研究課題の進捗状況として概ね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
市販の高速変調が可能なDFB半導体レーザーにおいても、利得スイッチ駆動と適切なチャープ補正を行うことで、数ピコ秒の短パルスを発生できることがわかった。この成果により、本研究で開発するシングルショット分光システムで用いることができるプローブ光の波長帯の選択肢が広がった。そのため今後の研究の推進方策として、当研究室で開発している1030nm半導体レーザーに加えて、1300nm帯半導体レーザーでも同様のシングルショット分光システムが構築できるかどうかを検証する計画でいる。
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