研究課題/領域番号 |
23K13055
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井戸 康太 東京大学, 物性研究所, 助教 (50827251)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 多体トポロジカル相 / 近藤格子模型 / 変分モンテカルロ法 / トポロジカル相 / 強相関電子系 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
幾何学的フラストレーションのある量子多体系では、量子スピン液体や磁性トポロジカル相といった興味深い輸送特性を示す量子状態が発現する。本研究では、大きな二次元系を効率よく取り扱える多体数値計算手法を用いて、三角格子上の近藤格子模型といったフラストレート強相関電子系で発現する多体トポロジカル状態の安定性について解析し、安定な多体トポロジカル状態を実現するための指針を提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度では、三角格子上の1/4フィリングにおけるスピン1/2での近藤格子模型の基底状態を調べた。基底状態を求める際に、大きなシステムサイズの二次元量子多体系を柔軟に取り扱うことのできる変分モンテカルロ法を用いた。解析した結果、古典極限で実現すると指摘されていた非共面な磁気秩序構造を持つ絶縁体がスピン1/2の反強磁性近藤結合の場合においても安定化することを明らかにした。この状態のトポロジカルな性質を調べるために、変分モンテカルロ法を用いて、多体Chern数を分極理論に基づいて測定した。その結果、非共面な磁気秩序構造を持つ基底状態が非自明な多体Chern数をもつ磁性トポロジカル絶縁体であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、古典極限での近藤格子模型を対象とした先行研究で指摘されていた磁性トポロジカル絶縁体が、スピン1/2の反強磁性近藤格子模型においても発現することを明らかにできたため、「おおむね順調に進展している。」とした。なお、本研究成果は論文としてまとめており、現在は投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、伝導層にオンサイトクーロン相互作用を加えたKondo-Hubbard模型を解析し、多体相関がトポロジカル相にどのような影響を与えるのかを精査する。
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