研究課題/領域番号 |
23K13074
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
満田 祐樹 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 助教 (70866251)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分子シミュレーション / 自由エネルギー計算 / 反応経路ネットワーク / 生体膜 / 薬剤設計 / Nudged Elastic Band |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤分子の生体膜透過現象は薬物動態を考える上でとても重要であり、膜透過係数は薬効を決める主要なパラメータの1つである。そこで本研究は、自由エネルギー反応経路探索法を利用することで、従来の方法では困難であった膜透過時の薬剤分子内構造の「揺らぎ」を直接的に調べる膜透過シミュレーション手法を開発する。さらに、薬効のある分子の膜透過現象を詳細に調べ、新しい創薬ルールへの足がかりを発見する。
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研究実績の概要 |
研究計画で設定した3つのステップ①膜透過係数計算手法の完成②高次元空間に対する反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発③反応経路ネットワークの解析手法開発に対して、本年度の研究は①膜透過計算手法の完成を中心に行った。具体的には、新しいアンブレラサンプリング手法の開発を行い、精度を確保しながらより安定的に自由エネルギー地形を計算できる基盤を形成した。この内容については、現在のところ国際雑誌に論文を投稿中である。現在のところ、水の膜透過計算といったシンプルな計算に対して検証できており、薬剤分子の膜透過計算にも対応できるよう手法を調節する段階である。②反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発については、プログラムの内容を見直すことで、より広範囲に反応経路ネットワークを計算することができる方法へと改良した。これによって、より複雑な自由エネルギー地形に対する対応が可能となった。また、検証段階であるFentanylとその類似体の計算が完了し、実験との相関があることを調べることができた。このないようについては論文を執筆中である。これらに加えて、NEB法を改良したNESB法を開発し、論文発表した。この手法は自由エネルギー地形の計算へ適用することが可能であり、反応経路ネットワークとは違い1経路しか計算できないが、この得られた経路を起点として反応経路ネットワーク探索をすることによって、より効率的に膜透過現象を解明することができる。これらの結果から、今後の研究への第1段階を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で設定した3つのステップ①膜透過係数計算手法の完成②高次元空間に対する反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発③反応経路ネットワークの解析手法開発に対して、本年度の研究は①膜透過計算手法の完成と②高次元空間に対する反応経路ネットワークを効率よく計算する手法開発について、当初の予定通り研究を進めることができた。また、NEB法を改良したNESB法を開発し、論文発表した。この手法は自由エネルギー地形への応用に適しており、今後の研究へ重要な寄与をすると考えている。また、Fentanylとその類似体の計算が完了し、実験との相関があることを調べることができた。これらのことから、本研究テーマは概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で、新しいアンブレラサンプリング手法の開発を行い、精度を確保しながらより安定的に自由エネルギー地形を計算できる基盤を形成したため、これを膜透過計算へ応用していく計画である。その際に、我々の開発したNESB法を使用することで、より効率的に計算のできる研究へと発展させる。また、Fentanylとその類似体の膜透過計算の結果を論文にまとめて発表する。これらの段階を踏んだ上で、計算を適用する薬剤分子の種類を増やす。
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