研究課題
若手研究
水は科学的な観点からは異常な液体であると認識される。近年の過冷却領域での水の研究から、水の異常な性質は水が2つのガラス状態を持つこと(ポリアモルフィズム)が原因であるとわかってきた。しかし、実験の困難さから、これまでの研究は「静的」なものが多く、2つの状態それぞれの「動的」な性質についてはあまり調べられていない。よって、ガラス状態にある水の本質を理解したとは言えない。本研究では高圧力下誘電分光測定システムを用い、測定対象に希薄な水溶液を選ぶことで実験的な困難を解消し、2つの状態にある水の分子運動の温度、圧力依存性を特徴づけ、水のガラス転移挙動を明らかにすることに挑戦する。