研究課題/領域番号 |
23K13085
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西澤 敬之 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00955007)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | トカマク / 自己組織化 / トモグラフィー / 磁気リコネクション |
研究開始時の研究の概要 |
局所ヘリシティ入射法によるトカマクプラズマ立ち上げの効率化を行う。これにより従来型より経済性が大きく向上すると考えられている中心ソレノイドを用いないトカマク型核融合炉の実現を目指す。計測手法としてはプラズマのポロイダル断面トモグラフィーを用い、自己組織化により磁場配位が変化しトカマクプラズマが生成される過程を精密計測を行う。局所ヘリシティ入射に用いるプラズマ銃の制御パラメータとトカマクプラズマ中の各物理量の関係性を解明し、電子サイクロトロン電流駆動など他の外部電流駆動法に受け渡すことができる高温高密度プラズマを生成する手法を確立させる。
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研究実績の概要 |
本研究課題は自己組織化過程の解明により局所ヘリシティ入射によるトカマクプラズマ生成手法の効率化を目的としているが、所属するトカマク実験グループとしての研究優先度から初年度は主に従来用いられてきた中心ソレノイドを使った誘導立ち上げによるプラズマの生成に取り組んだ。中心ソレノイド及びポロイダル磁場コイル用の電源を開発し、それを用いてプラズマ電流20kAのトカマクプラズマの生成に成功するなどの成果を得た。この研究開発で得たパワーエレクトロニクスに関する知見を活用し今後は局所ヘリシティ入射で用いるプラズマ銃の電源の最適化に取り組む。自己組織過程の解明に用いるトモグラフィ計測に関してはガウス過程回帰を用いた反転アルゴリズムの開発に取り組んだ。この手法を応用することでLHD装置において干渉計のデータから誤差を含めて電子密度の空間分布とその微分量を評価することに成功した。この成果は専門誌Plasma Physics and Controlled Fusionにて発表した。また本成果に関して学会にて関連する口頭発表を2件行った。磁気ヘリシティ入射実験は行うことができなかったがプラズマ銃やトモグラフィ計測のハードウェアの準備に関しては進展があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属する研究グループの都合により本題に対し十分なエフォートを費やすことができなかった。また令和6年初頭から春にかけてトロイダル磁場の生成に用いているフライホイール電源が故障した影響も受けた。約1年間、局所ヘリシティ入射実験を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度から本格的に局所ヘリシティ入射実験を行う。既に絶縁性能が改善されたプラズマ銃を真空用器内に設置済みであり、また共同研究を行っているソウル大学のグループが開発したプラズマ銃の設置の準備も進めている。これらのプラズマ銃を用いトカマク装置内に磁気ヘリシティ入射実験を行う。また6月にトモグラフィ計測システムを設置予定である。この計測を用いてフィラメント状のプラズマがトカマク配位へと変化する様子の精密計測を行う。加え、昨年度から中心ソレノイドおよびポロイダル磁場コイル用電源の開発を進めてきた。この経験を活かし電源の仕様を最適化し、磁気ヘリシティの入射量やガス圧を制御することで局所ヘリシティ入射の効率化を目指す。
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