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地下1000mでのガス検出器を用いた余剰次元を伝播するアクシオンの探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K13116
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
研究機関東京大学

研究代表者

細川 佳志  東京大学, 宇宙線研究所, 特任助教 (80785105)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードアクシオン / 余剰次元 / KKアクシオン / MPGD / TPC / ガス検出器
研究開始時の研究の概要

余剰次元を伝搬するアクシオン(KKアクシオン)は,素粒子物理学の謎である強いCP問題とゲージ階層性問題を同時に解決可能な未発見の素粒子である。太陽内部で生成され重力的に太陽系内に捉えられた太陽KKアクシオンは約10keVの質量と有限な寿命を持ち,その崩壊で放出される二光子を捉える事で地球でも観測の可能性がある。ガス検出器はガスの種類,圧力を選択することで二光子を分離して検出可能で,強力な背景事象除去能力が得られる。また崩壊事象頻度は有効体積のみに依存し,ガス検出器はその拡張性が高い。将来,低背景事象環境で1[m3・year]の観測が実現すれば,その存在が予言される領域へ到達できる。

研究実績の概要

余剰次元を伝播するアクシオン"Kaluza-Klein(KK)アクシオン"は素粒子物理学の謎を複数解決可能な,未発見の素粒子である。太陽内部で生成され重力的に太陽系内に捉えられた”太陽KKアクシオン”は10keV程度の質量と有限な寿命(10^11 ~ 10^17日)を持ち,その崩壊によって放出される二光子(5keV+5keV)を捉えることで地球でも観測の可能性がある。ガス検出器では二光子を分離して捉えられるため強力な背景事象除去能力が得られる。また,検出器内崩壊頻度は有効体積のみに依存する。ガス検出器はの大型化は比較的容易で,有効体積拡張性の高さも本研究の強みである。
2023年度は,2つのアルゴンガス検出器の開発を行なった。一方は神岡地下1000mに設置している10x10x10cm3検出器(地下検出器)である。データ取得のための波形処理装置などを購入し,継続的なデータ取得のための準備を進めている。
もう一方は,20x20x30cm3の体積を持つ地上の検出器(地上検出器)である。本検出器の開発は,ミグダル効果の発見を目指すMiraclue実験グループと共同で進めている。Amptek社製X線生成機"cool-X"を用いて8keVのX線を検出器に照射することで,8keVの光電効果事象に加えて,アルゴンの特性X線による 3keV + 5keVの二光子事象が見えることが期待される。cool-Xによる8keV X線を照射したデータを取得し,2光子を分離して捉えるための解析手法を開発中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

地下検出器の継続運転のための準備は順調に進んでいる。
また,20x20x30cm3の地上検出器を開発し,動作を確認,較正データを取得した。較正データを解析し,二光子事象探索の解析的手法を開発中である。

今後の研究の推進方策

地下検出器では,データ取得に必要なモジュール類,ガス検出器容器のための真空部品などは2023年度にほぼ全て納品されており,2024年度はこれらを用いた安定運転を目指す。
地上検出器では,2023年度に検出器を開発し,動作を確認,較正データを取得した。2024年度は較正データの解析から二光子事象探索手法を確立し,KKアクシオン探索データの取得・解析を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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