研究課題
若手研究
物理学の重要なパラメータである中性子の寿命には、主要な2種類の計測法の間で8.6秒もの系統的な違いが知られている。この問題に切り込む新手法として、月表面から漏出する熱中性子を月周回機で測定することで、中性子寿命を導出したい。本研究では、コーデッドマスクを用いた熱中性子イメージング検出器を開発し、月面から飛来した熱中性子の到来方向を同定することで、測定誤差を減らし中性子寿命の精密測定を目指す。さらに宇宙に近い環境下での実証試験として、気球に検出器を搭載して高度30 kmの成層圏まで飛行させ、宇宙線空気シャワー中の中性子成分を測定する。