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熱中性子イメージング検出器による月周回衛星を活用した中性子寿命の測定

研究課題

研究課題/領域番号 23K13135
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
研究機関京都大学

研究代表者

辻 直希  京都大学, 理学研究科, 特定研究員 (80963537)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード中性子寿命 / 放射線検出器 / イメージング検出器 / シンチレータ / SiPM / 衛星 / 気球実験
研究開始時の研究の概要

物理学の重要なパラメータである中性子の寿命には、主要な2種類の計測法の間で8.6秒もの系統的な違いが知られている。この問題に切り込む新手法として、月表面から漏出する熱中性子を月周回機で測定することで、中性子寿命を導出したい。本研究では、コーデッドマスクを用いた熱中性子イメージング検出器を開発し、月面から飛来した熱中性子の到来方向を同定することで、測定誤差を減らし中性子寿命の精密測定を目指す。さらに宇宙に近い環境下での実証試験として、気球に検出器を搭載して高度30 kmの成層圏まで飛行させ、宇宙線空気シャワー中の中性子成分を測定する。

研究実績の概要

物理学の重要なパラメータである中性子の寿命には、ビーム法とボトル法という主要な2種類の計測法の間で依然として8.6秒もの系統的な違いが知られている。この問題に切り込む新手法として、月表面から漏出する熱中性子を月周回機で測定し、高度ごとのプロファイルから中性子寿命を導出したい。本研究では、コーデッドマスクを用いた熱中性子イメージング検出器を開発し、月面から飛来した熱中性子の到来方向を同定することで、測定誤差を減らし中性子寿命の精密測定を目指す。
(1) 中性子検出用の電子回路基板を製作した。光検出器SiPMをピクセル状に並べたアレイに中性子に感度のあるシンチレータを搭載することにより、中性子の入射位置に対する分解能のある中性子検出器を開発している。SiPM1つ1つ読み出すのが理想だがチャンネル数が多く開発コストがかかるため、信号の抵抗分割により端点の4 chで読み出し、信号強度の強弱から入射位置を特定する手法を採用した。これを実現するために4 chの信号を読み出し、及び高速サンプリングによる波形弁別により中性子とバックグラウンドのガンマ線を弁別できる機能を搭載した電子回路基板を製作した。
(2) 開発した電子回路基板に陽子ビームを照射し、宇宙環境でも大きな問題なく動作可能であることを実証した。宇宙環境では高強度・高レートの放射線に曝され、基板上のIC素子が損傷する恐れがある。特に民生品の場合は放射線耐性が十分に調べられていないため、事前に耐性の評価をする必要がある。宇宙環境を想定した200 GeVの陽子ビームを基板に照射したところ、5年程度の軌道上運用は問題ないことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

中性子用シンチレータの入手難により、位置検出器の製作がやや遅れている。しかし2024年度にコーデッドマスクを含め統括的に検出器製作を進めることで、順調に進展できる予定である。

今後の研究の推進方策

(1) GS-20等の薄い中性子用シンチレータにSiPMアレイを装着した位置分解能を持つ中性子検出器を開発する。厚さ2 mm程度の1枚板のシンチレータと、3 mm角のSiPMアレイを使用し、3 mm × 3 mm という高い位置分解能を目指す。
(2) 中性子遮蔽材のB4Cシートやカドミウム板金で、コーデッドマスク部分のランダムパターンを製作する。コーデッドマスク検出器を製作し、視野や角度分解能を評価する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 中性子を用いた月の水資源探査、素粒子・宇宙物理学研究を行うMoMoTarO計画2024

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      第17回宇宙ユニットシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 月での水資源探査、中性子寿命測定に挑むMoMoTarO計画2024

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      超小型衛星利用シンポジウム2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] MoMoTarO計画 - 月の水資源探査に向けた検出器開発2024

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      日本物理学会2024年春季学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中性子を用いた月の水資源探査、素粒子・宇宙物理学研究を行うMoMoTarO計画2024

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      第23回高宇連研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Moon Moisture Targeting Observatory (MoMoTarO) for basic science application to neutron lifetime measurement2023

    • 著者名/発表者名
      Naoki Tsuji
    • 学会等名
      38th International Cosmic Ray Conference (ICRC2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 月周辺での宇宙線測定で挑む水資源探査と中性子寿命測定2023

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      宇宙線で繋ぐ文明、地球環境、太陽系、銀河2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] MoMoTarO計画における中性子・ガンマ線検出器の開発2023

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      日本物理学会 第78回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 月の水資源探査と連携した中性子寿命の測定-MoMoTarO 計画-2023

    • 著者名/発表者名
      辻直希
    • 学会等名
      第67回宇宙科学技術連合講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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