研究課題/領域番号 |
23K13159
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
延寿 里美 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 助教 (40844296)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 始原的炭素質コンドライト物質 / 水質変成 / 初期太陽系 / 不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
初期太陽系の原始惑星系円盤における物質形成と進化を理解するには当時の情報を保存しているとされる始原的炭素質コンドライト物質の水質変成過程の詳細(水・岩石比、温度、流体の元素組成など)を理解する必要がある。 本研究の目的は、はやぶさ2リターンサンプルをはじめとする始原的炭素質コンドライト物質に特徴的にみられる水質変成の不均一性の要因を解明することである。水質変成前の非晶質ケイ酸塩ナノ粒子と結晶鉱物の混合率・混合サイズに着目し、水質変成実験を行うことで、それらの要素と水質変成の不均一性との関係性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
初期太陽系の原始惑星系円盤における物質形成と進化を理解するには当時の情報を保存しているとされる始原的炭素質コンドライト物質の水質変成過程の詳細(水・岩石比、温度、流体の元素組成など)を理解する必要がある。 本研究の目的は、はやぶさ2リターンサンプルをはじめとする始原的炭素質コンドライト物質に特徴的にみられる水質変成の不均一性の要因を解明することである。水質変成前の非晶質ケイ酸塩ナノ粒子と結晶鉱物の混合率・混合サイズに着目し、水質変成実験を行うことで、それらの要素と水質変成の不均一性との関係性を明らかにする。従来の研究では水質変成の程度の不均一性を説明するためには異なる変成条件が必要とされてきたが、μmスケールの不均一性に対しては現実的ではない。これが解決できれば、均一な流体による水質変成でも不均一な組織が形成可能となるため、よりシンプルで現実的な水質変成モデルが構築可能となる。 今年度は水質変成実験に必要な機器の導入や作業環境の確立を中心に行った。窒素発生器やグローブボックスをはじめとする物品の購入や実験条件の検討を行った。単純な系の粉末試料の水質変成実験の基本的な実験方法を確立することができたが、生成した試料の分析方法は引き続き検討と調整が必要である。また、あわせて本研究のテーマである始原的炭素質コンドライト物質について申請者も参加しているはやぶさ2分析チームより複数の論文が発表された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標であった基本的な実験方法の確立については概ね見通しが立ってきた。窒素発生器やグローブボックス、ペレッターや研磨シートなどをはじめとした実験に必要な機器の選定・購入を行い、実験環境を整えた。一連の実験を行い全体的なながれを確認した。生成物の試料調整や分析方法については引き続き調整が必要であるがおおむね順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は分析方法を検討しつつ、水の添加方法や粉末の内容をかえて生成物の比較検討を行う予定である。特に粉末試料の成形や加工の方法についてもう少し工夫が必要であると考えられる。生成物の水質変成による組織や結晶構造、化学組成の変化の程度によって適した分析法やデータの見せ方が変わってくるため、実験を行いつつ生成物の様子をみながら分析方法を調整していく予定である。
|