研究課題/領域番号 |
23K13178
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平林 頌子 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (40835641)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 石筍 / 放射性炭素年代測定 / 降水量変動復元 / 滴下水 / U/Th年代測定 / 降水量変動 / 酸素同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、集中豪雨の発生周期・頻度・規模を解明すべく、石筍の高精度U/Th年代モデル・マルチプロキシ分析に基づいた局地的降水量変動復元を実施する。緯度の異なる複数の鍾乳洞において滴下水の定期モニタリング調査を行い、微量元素・Dead Carbon Fraction、酸素同位体比を用いた局地的降水量復元プロキシを確立する。その結果を石筍試料に応用し、酸素同位体の緯度効果および東アジアモンスーン変動の影響を取り除いた降水量復元を行い、日本における過去の極端気象現象イベントによる集中豪雨史を明らかにする。本研究を達成することで、全球気候モデルの水循環変動予測の精度を向上させ、日本の集中豪雨災害の防災対策への貢献を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、石筍試料を用いたマルチプロキシ分析に基づく局地的降水量変動復元を実施し、日本における過去の極端気象現象イベントによる集中豪雨史を明らかにすることを目指す。日本における集中豪雨史を解明するためには、東アジアモンスーン変動による降水量変動と局地的な降水量変動を切り離して議論することが必須である。2023年度は、東アジアモンスーン変動を記録していると考えられる鹿児島県与論島・赤崎鍾乳洞にて調査を行い、洞窟内の気温、湿度、二酸化炭素濃度の測定を行った。また、赤崎鍾乳洞にて石筍試料を5本採取し、採取した石筍試料付近にて滴下水の採取も行った。さらに与論島における水循環変動を議論するため、与論島内において雨水と地下水試料の採取も行った。 採取した石筍および水試料は、東京大学大気海洋研究所のシングルステージ型加速器質量分析装置を用いて放射性炭素年代測定を実施した。その結果、石筍試料は過去1万年から現在にかけて成長を続けていたことが判明し、完新世の東アジアモンスーン変動復元に適切な試料であることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は出産に伴う産休・育休を取得したため研究活動期間が5ヶ月未満しかなく、また育休復帰後も育児のため研究活動時間を十分に取ることができなかった。2023年度の休職前に与論島・赤崎鍾乳洞にて採取した石筍や滴下水試料を用いて、2024年度は研究を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に採取した石筍試料および滴下水の化学分析を進める。2023年度は与論島・赤崎鍾乳洞で採取した石筍の放射性炭素年代測定を行ったが、2024年度は滴下水の放射性炭素年代測定および酸素同位体比測定を進め、それらが降水量変動復元のための適切な代替指標であるか検討する。また、今年度は石筍の高精度年代決定のため、マルチコレクター型ICP-MSを用いたU/Th年代測定システムの立ち上げも行う。得られた成果を学会にて発表し、国際雑誌へ論文を投稿する。
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