研究課題/領域番号 |
23K13208
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
李 佩瑩 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00862062)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生命の起源 / リボザイム / ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
初期生命が太古の地球上でどのように非生物的な化学物質から誕生したのだろうか? RNAから初期生命の進化が開始したという仮説 (RNAワールド仮説)が現在広く支持を集めているが,RNAが生命の様に進化していくためには,(1)細胞様区画構造,(2)自己複製のサイクル反応の2点が必要である.しかし,RNAだけでこの2点の条件を満たすのは困難である.そこで本研究では,RNA結合性ペプチドを用いて細胞様構造を作成し,その内部でのRNA酵素の増幅反応を実現する.これにより,RNA-ペプチド共存系における初期生命を構築し,生命誕生の謎の解明を目指す.
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研究実績の概要 |
現存生命においてRNAが遺伝情報を保存すると同時に触媒機能も担いうることから,RNAから初期生命の進化が開始したという仮説 (RNAワールド仮説)が有力である.ここで,RNAが増殖して生命の様に進化していくためには,①自己を外界から隔て散逸を防ぐ細胞様構造の形成,②自己複製を繰り返すサイクル反応の2点が必要である.しかし,RNAは負電荷でお互いに反発し合うため,RNAだけでこの2点の条件を満たすのは困難である.一方,短鎖ペプチドはRNAよりも合成しやすく,生命誕生以前に既に存在しRNAの機能を補助しただろうと考えられている.そこで本研究では,RNA結合性正電荷ペプチドを用いて細胞様構造体を作成し,その内部でのRNA酵素の増幅反応の実現を目指す.実験室で生命誕生過程を再現することは太古地球での生命誕生プロセスを解明するための重要な手掛かりとなると期待できる. 本年度は,単純配列を持つRNA結合性ペプチドを用いて,液-液相分離(LLPS)により安定な液滴構造体の形成に成功した.その様な液滴構造はRNAを吸着する機能を持ち,それによりRNAポリメラーゼリボザイム(RPR,リボザイムの一種)を液滴中に濃縮することも成功した.RPRの様な大型リボザイムは構造安定性が弱く,液滴構造内で容易に変性し活性を失ってしまうことがすでに知られている.今回新たに構築された液滴構造が大型リボザイムの活性を促進することを発見した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画当初のペプチド液滴構造体とはやや異なったものの,細胞様液滴構造体において大型リボザイムの濃縮及び活性化に成功し,これまでに液滴構造内での大型リボザイムの失活問題を克服した.本年度の目標を達成したと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き,細胞様構造におけるRNA自己複製の実現に向けて,ペプチド液滴の存在下でリボザイムの試験管内進化実験を行い,さらに活性の高いかつ構造が安定なリボザイムを探索する.
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