• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

金属配線付き基板を段差導入なく平坦にする純水を用いた持続可能な精密研磨技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K13234
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分18020:加工学および生産工学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

藤 大雪  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70910678)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード超精密表面研磨加工 / 金属配線付き基板 / Cu / Ru
研究開始時の研究の概要

半導体デバイスの作製工程では配線層を積み上げるために,配線形成後の基板表面を高精度に平坦化する必要がある.しかしながら表面には半導体・酸化膜・金属が混在するため各材料の除去速度が異なり既存技術では各材料領域の境目での段差や特定部分の過剰除去が発生し,デバイス性能・寿命の劣化原因となる.申請者はこれに対し純水と金属触媒を利用した超精密研磨技術を提案する.これまで半導体・酸化物材料に対して有効性を確認できている.本研究では金属表面を酸化する機構を加工系に導入し,金属の高能率エッチングを実現する.また,金属配線付き基板に対して本手法を適応し,段差・ダメージフリーの理想表面の作製を実証する.

研究実績の概要

金属配線付き基板の平坦化に申請者が独自に開発した研磨技術である触媒表面基準エッチング(CARE)法の適応を提案している.本手法では触媒作用を示す金属薄膜が成膜された研磨パッドと加工対象物を加工液(主に純水)中で接触させ,相対運動させる.この時,触媒と高頻度で接触する基板表面の凸部が優先的にエッチングされる.金属配線付き基板の表面は金属,酸化物が混在するが上記の加工特性により,各材料のエッチング速度に影響されずに高精度平坦面を取得できる.2023年度はCARE法による金属のエッチング特性調査および酸化チタン膜の生成方法及びその特性評価を進めた.加工対象は現在主流となっている配線金属Cuおよび次世代配線金属として期待されているRuとした.各金属を陽極酸化させ,CARE法を施したところエッチング痕を確認できた.一方で触媒膜を成膜していない研磨パッドを使用して,同様の加工を実施したところ,金属のエッチングは確認されなかったことから,Cu,Ruを機械的なダメージなく処理できることを明らかにした.また,基礎実験装置として金属膜を酸化させる機構を取り付けたCARE法用装置を立ち上げた.また,当初の予定には含まれていなかったが,絶縁膜として利用される有機物のエッチング特性についても評価を進め,十分に平坦化できることを示すことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Cu,Ruのエッチング特性を完了できた.また,当初の予定にはなかったが絶縁膜として利用される有機膜のエッチング特性についても評価を進めることができ,金属配線付き基板の表面平坦化におけるCARE法の優位性を示すことができた.一方で,成膜装置の整備に手間取り,パッドに成膜する予定の酸化チタン膜の成膜条件やラジカル生成特性評価を進めることができなかった.

今後の研究の推進方策

酸化チタン膜の成膜条件の探索およびラジカル生成の確認を最優先事項として進める.その後,当初の計画通りにその場での金属の表面酸化およびエッチングを,金属膜付きウエハを使用して評価する.また現在,手配を進めているCu配線付き基板が届きしだい,加工特性評価を進める.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] High-Efficiency Polishing of Polymer Surface Using Catalyst-Referred Etching2024

    • 著者名/発表者名
      Toh Daisetsu、Takeda Kodai、Kayao Kiyoto、Ohkubo Yuji、Yamauchi Kazuto、Sano Yasuhisa
    • 雑誌名

      International Journal of Automation Technology

      巻: 18 号: 2 ページ: 240-247

    • DOI

      10.20965/ijat.2024.p0240

    • ISSN
      1881-7629, 1883-8022
    • 年月日
      2024-03-05
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 触媒表面基準エッチング法を用いた金属配線付き基板の高精度平坦化-配線金属のエッチング特性評価-2023

    • 著者名/発表者名
      山﨑博人,萱尾澄人,藤大雪,山内和人,佐野泰久
    • 学会等名
      2023年度精密工学会関西地方定期学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 触媒表面基準エッチング法を用いたダメージレスかつ原子レベルに平滑なSi(100)表面の作製2023

    • 著者名/発表者名
      藤大雪,萱尾澄人,山内和人,佐野泰久
    • 学会等名
      2023年度砥粒加工学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 触媒表面基準エッチング法を用いたSi基板の原子オーダー平滑化およびエッチング機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      藤大雪,板垣果歩,山﨑博人,萱尾澄人,山内和人,佐野泰久
    • 学会等名
      2023年度精密工学会秋季大会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 触媒表面基準エッチング法を用いたRuのエッチング特性2023

    • 著者名/発表者名
      山﨑博人,萱尾澄人,藤大雪,山内和人,佐野泰久
    • 学会等名
      2023年度精密工学会秋季大会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi