研究課題/領域番号 |
23K13257
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中井 公美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (20897813)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | プラズマアクチュエータ / 大気圧放電 / 低次元モデル / データ駆動科学 / 数値シミュレーション / 縮約モデル |
研究開始時の研究の概要 |
プラズマアクチュエータは,放電プラズマと周囲流体との干渉により生じる電気流体力を利用して流れを操作するデバイスである.プラズマアクチュエータの多岐に渡る産業領域における実用化には,電気流体力生成を高効率化するための設計パラメタ最適化が重要な課題である.本研究では,数値シミュレーションと実験計測の3次元かつ非定常特性に踏み込んだ連携により,プラズマダイナミクスの3次元性及び非線形性の解明と,設計パラメタ最適化に資する新たなモデル構築に挑む.
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研究実績の概要 |
本研究では,流れ制御アクチュエータの一つであるプラズマアクチュエータの産業的実用化を加速するため,数値シミュレーションと実験計測の連携によるプラズマダイナミクスの高精度解析手法の構築に取り組んでいる.本年度は,プラズマアクチュエータにおけるプラズマダイナミクスとそれによる電気流体力生成プロセスの空間3次元的特性および非定常特性を高精度に解析することを目的とし,数値シミュレーションモデルの高度化を実施した.主にプラズマ化学反応に着目した段階的な数値シミュレーションモデルの改良を行い,プラズマ化学反応の考慮によるシミュレーション結果への影響を調査するとともに,シミュレーション結果の妥当性を評価するための実験環境の整備を進めた.並行して,数値シミュレーションの計算負荷低減に向けて,プラズマダイナミクスを表現する縮約モデルの構築を目的とし,流体力学分野で提案されているデータ駆動型の解析手法のプラズマダイナミクス解析への適用可能性を検証した.本年度は,予備的調査として,従来の数値シミュレーションモデルを用いて構築したデータベースに,データ駆動型のモード抽出及びシステム同定手法を適用した.放電プラズマの形態と抽出されるモード特性との関係を明らかにするとともに,モード数と縮約モデルの精度との関係を調査した.その結果,モード特性及びシステムは,プラズマアクチュエータの駆動条件に大きく依存し,条件を変更した場合に縮約モデルの精度が低下する可能性が示唆された.今後はデータベース構築を加速し,プラズマダイナミクスに適した縮約モデル構築手法の開発を進める必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,プラズマダイナミクスに関する数値シミュレーションモデルの高度化が進展している.また,予備的ではあるが,モード抽出手法及びシステム同定手法のプラズマダイナミクスに対する適用性検討が進んでいる.一方,シミュレーション結果の妥当性検証及び縮約モデル開発に不可欠な実験計測データベースの構築は未だ実施できておらず,本項目は2024年度に実施予定である. 以上から総合的に判断して,本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる2024年度は,プラズマダイナミクスに関する数値シミュレーションモデルの高度化を継続して実施する.並行して,実験環境を整備しプラズマダイナミクスに関する種々の実験データを取得することで,シミュレーションモデルの妥当性検証及び更なるモデル改良に取り組む.そして,高度化したシミュレーションモデルに基づく大規模データベースを構築・解析することで,特にモード抽出及びシステム同定の観点からプラズマダイナミクスの縮約モデル開発に向けた知見を獲得する.
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