研究課題/領域番号 |
23K13264
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梅原 裕太郎 九州大学, 工学研究院, 助教 (80961755)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 沸騰 / 吸液性能 / 金属多孔質体 / 限界熱流束 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、銅多孔質体を用いることで、従来研究で報告されているメカニズムでは説明できない非常に高い限界熱流束が報告されている。本研究では、赤外線を透過するサファイヤ基板上に銅多孔質体を設置することで、高速度カメラと赤外線サーモグラフィーを用いた加熱時の伝熱面吸液性能の影響を評価し、銅多孔質体の限界熱流束向上メカニズムの解明を行う。解明されたメカニズムをもとに、限界熱流束を向上するための新たな多孔質体製作を行い、限界熱流束のチャンピョンデータを更新することを最終目的とする。
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研究実績の概要 |
沸騰現象は,非常に高い熱伝達性能を持つ現象であることが知られており,さまざまな産業分野で用いられている.特に,産業機器の設計では,沸騰伝熱で輸送できる限界の熱量を表す限界熱流束が非常に重要である.これまでに,限界熱流束を向上させるためにさまざまな研究が行われてきた.その中でも,伝熱面表面形状を変更することによる限界熱流束向上手法が検討されてきた.近年,電解析出法を用いた金属多孔質体による伝熱面改質が限界熱流束を大幅に向上することが報告されている.一方で,そのメカニズムについては,十分な検討が行われていなかった. 限界熱流束の向上メカニズムとして,伝熱面表面の吸液性能が,蒸気泡生成時にも蒸気泡下部の乾き面拡大を抑制し,持続的な液供給をできるとのことから広く受け入れられている.しかし,吸液性能を有する伝熱面が沸騰現象下において,そのような持続的な液供給ができているのかそのメカニズムについて実験的には明らかにされていない. 本研究は,金属多孔質体を用いた限界熱流束の向上のメカニズム解明を目的とし,沸騰現象の際の吸液性能による金属多孔質体下部の温度分布の計測を実施する. 従来手法では,赤外線透過伝熱面(サファイヤ基板等)上に赤外線を透過しないITO膜を成膜することで詳細な熱流動解析が進められていた.この従来手法を適用したが,電気的な絶縁と熱の伝導性を両立することが難しく,熱流動現象の可視化観察を進めることができていない. 現在は,電解析出手法の最適化を行うことで限界熱流束向上に向けた最適な形状の提案を進めており,従来よりも限界熱流束の向上を実現しており,析出手法と限界熱流束向上との相関関係からメカニズムの解明を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多孔質体下部からジュール加熱しながら,その部分の温度分布を赤外線カメラで可視化する機構を検討していたが,電気的な絶縁を取りながら,熱は伝える成膜手法は,従来手法では実現できなかった.この手法の開発が確立できておらず,進捗が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
現在は,可視化手法を確立するための伝熱面の製作をしながら,限界熱流束を向上するための金属多孔質体の製作手法の最適化を進めている.
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