研究課題/領域番号 |
23K13268
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鎌田 慎 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (20847016)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 熱流束 / MEMS / 金属基板 / 薄膜測温抵抗体 / 較正 |
研究開始時の研究の概要 |
機械内部の熱の流れを定量化する実機用熱流束センサは,省エネルギーに貢献する基盤技術となり得る.そこで,直流成分から10 kHzの交流成分までの熱流束を精度良く計測するセンサならびにその較正手法の開発を目的とする. 試験エンジン等実機に搭載可能な金属基板製MEMS熱流束センサでは,表面と内部の温度を計測し,材料の熱物性と幾何形状から熱流束を算出する.しかし実際に製作可能なセンサでは,製作物毎の測温点位置のずれや,測温点-基板界面の熱物性が算出値へ顕著に影響する.そこでセンサへ熱を付与した際の応答から,それらを推定し較正するプロトコルを構築し,高精度な実機用熱流束センサの実現を目指す.
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研究実績の概要 |
機械内部の熱の流れを定量化する実機用熱流束センサは,省エネルギーに貢献する基盤技術となり得る.そこで本研究では,直流成分から10 kHzの交流成分までの熱流束を,精度良く計測するセンサならびにその較正手法の開発を目的とし,研究に取り組んだ.本年度の研究実績概要を以下に記す. (1) 内部発熱によってセンサ内部熱抵抗・熱容量を推定可能なセンサの開発に取り組んだ.直径10mm,厚さ10mmの金属基板表面にMEMS薄膜測温抵抗体を持ち,内部には測温点兼ヒーターとして利用可能な,市販RTDを埋設した熱流束センサを製作した. (2) 熱流束較正に必要な測温点間熱抵抗を推算する方法の開発に取り組んだ.高周波領域の較正として,製作したセンサの表面薄膜測温抵抗体の自己発熱較正を行い,表面の薄膜測温抵抗体-基板間の界面熱抵抗を推算した.さらに,定常成分の較正として,製作したセンサ内部の測温点-基板間の熱抵抗を推算するため,管状炉によりセンサ表面へ一様な熱流束を付与し,値付けした熱流束と,表面-内部測温点間温度差から,内部測温点と基板間に存在する熱抵抗を推算した. (3) 製作したセンサ内部の測温点―基板間の熱容量を推算するため,センサ表面へ1 mHz~10 kHzの周波数領域で一様に熱流束付与する光学実験系を構築し,その温度応答を交流成分の較正に用いた.ここまで一連の較正過程によって,製作物毎に異なった値を取る表面薄膜測温抵抗体-基板界面の熱抵抗,基板-内部測温点間の熱抵抗・熱容量を取得し,測定温度から精度よく熱流束を算出するため較正済みモデルの作成に取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に予定していた(1)内部発熱可能なセンサの製作,(2)内部熱源の定常的な発熱による内部熱抵抗の推算,(3)周期加熱可能な実験系における内部熱容量の推定に取り組み,相応の成果を得た.また,その成果は国内会議および国際会議でも報告したことから,「概ね順調に進展している」と判断される.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として(1)既知の熱流束を付与可能な実験系を構築し,較正したセンサの精度を検証する.また,(2)取り付け部周囲への2次元的な熱の流れまで考慮し較正可能なセンサの実現に取り組む. (1)較正済みセンサの動作検証については,加熱噴流など,既知の熱流束を付与可能な熱流束源を用意する.そして,製作し較正したセンサと市販の較正済み熱流束センサへ熱流束を付与する.これにより,較正したセンサの精度を実験的に比較検証する. (2)周囲への2次元的な熱の流れを含めた較正に向けて実験系を構築し,これにより,周囲との熱コンダクタンスを推定可能であるか検討する.熱的構造を2次元的に取得するため,表面からのレーザー加熱に対する温度振幅と位相差から,各測温点の熱的な位置と熱容量を取得し,解析モデルへ反映する. 以上のプロセスで,製作し測定対象に取り付けたセンサに存在する未知の熱抵抗・熱容量を推定し,熱的構造を正しく把握することで,高周波から定常成分まで精度良く計測可能とする較正プロトコルの構築に取り組む.
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