フレーム問題に陥らない生物は、計算機を使用することなく全て化学反応を伴う物質の物理的相互作用によって情報処理を行っていることに着目し、興奮性の化学反応とそれに伴う物性の変化を使用した系において、情報伝達の方向が引き込みによって一方向に揃う状況を粒子シミュレーションによって明らかにすることを目指す。具体的な要件として、化学反応による物質の「集合と分散」、および化学反応の伝播方向に対する周囲の基質濃度や形状の依存性に着目する。ネットワークが形成されるためには、非対称な情報の流れと自己触媒作用が必要となる。本研究では、それらがどのように創出するかを理論的に調べ、実世界での実現に向けた基礎研究を行う。
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