研究課題/領域番号 |
23K13295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
禹 ハンウル 工学院大学, 工学部, 准教授 (80845272)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 放射線源調査 / 経路計画 / 移動ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原子力発電所の廃止措置においては、敷地内の放射線量マップのモニタリングが非常に重要である。線量が高い領域が環境マップ上で明らかになれば、現場に入る作業員へのリスクを下げることができる。そこで、移動ロボットを用いた放射線源の探査システムの開発が求められている。しかし、遠隔操作による探査システムが主に検討されており、移動ロボットの自律的な経路計画については議論が不十分である。そこで本研究では、放射線計測器と測距センサを搭載した移動ロボットを用いて、環境中の放射線源の位置と強度を特定するシステムを開発する。特に、現時刻までの計測結果から次の計測点および移動経路を生成する手法の開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
2023年度には、開発を効率的に進めるためのシミュレータの構築を行った。任意の位置に放射線源を設置した際の指向性ガンマ線検出器で得られる情報を模擬できるようになった。具体的には、線源とロボット間の距離に応じたガンマ線の入射角および入射数が取得できるようになった。これをROS(Robot Operating System)上で実装し、ROSライブラリにより環境情報(距離情報)が取得できることを確認した。現在は障害物がある環境下における線源探索のための経路計画に取り組んでいる。 更に、現時刻までの計測結果に基づいて次の計測点を決定するアルゴリズムを構築した。ロボットの1ステップの移動範囲の中で、新たな計測により最も情報量が増える位置を算出する手法を構築した。ガンマ線の入射角および入射数に応じた情報量基準を新たに定義し、その値に基づいて次の計測点を決める手法を構築した。障害物が存在しない環境下における単線源の探索を想定し、経路計画および線源の位置推定を行った。現在は複数線源の探索に取り組んでいる。 情報量基準に基づく計測点計画とは別のアプローチとして、ガンマ線の入射数から変化率を求め、線源までの距離を推定する手法を構築した。検出器から得られるガンマ線の入射角に基づき、ロボットが線源に向かって一定距離移動する際のガンマ線の入射数の変化率は線源強度に依存しない。このことから、線源までの距離が分からないというガンマ線検出器が持つ課題を解決し、より効率的な探索を実現した。現在はパーティクルフィルタを用いた短時間かつ高精度の線源位置推定手法の構築に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ロボットの転倒可能性を考慮した移動経路の生成手法を検討する。また、構築した提案システムの有効性を評価するため、実機による検証実験を行う。
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