研究課題/領域番号 |
23K13303
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大澤 友紀子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80909200)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 熱マネジメント / 材料認識 / 熱センシング / 廃熱利用 / 人機械協調 / ロボットスキン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では廃熱を人・機械協調のための付加的な機能として有効活用すべく、機械内部の熱源から外部表面への効率的な熱輸送システムを開発し、廃熱を温度制御・接触対象物の認識に用いた新しい熱マネジメント手法を検討する。効率的な熱輸送を実現するための制御システムの構築について、ハードウェア(デバイス開発)・ソフトウェア(制御アルゴリズム)の双方について取り組む。技術の発展と環境問題の解決を両立した従来の熱対策手法を革新させる基盤技術として、幅広い場面での活用が期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度は熱輸送システムを開発し、ロボットの手先部分の温度制御と認識技術が一体となった熱マネジメント手法の理論構築を行った。具体的には、水流制御によって単一モータの発熱を活用した接触材料の識別技術に取り組み、ロボットグリッパーを用いた物体の把持動作を通した接触物体の認識、また同時にモータを冷却する手法を構築した。熱流値を用いた手法も提案し、温度応答による識別と比較して識別時間の短縮や精度の向上を実現した。さらに材料識別だけでなく、表面粗さの異なる接触材料についても有効性を示した。よって本年度、本課題の提案熱マネジメントの基盤技術となる接触材料の認識を実現し、熱の人機械協調への有効活用の可能性について見出すことができた。本年度の成果として、国際論文誌1件(Active Heat Flow Sensing for Robust Material Identification)、国内論文誌1件(日本ロボット学会誌採択済)、国際学会誌2件(IEEE/SICE International Symposium on System Integrations、 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics)、国内学会誌1件(IEEJ international workshop on Sensing、 Actuation、 Motion Control、 and Optimization)に採択・掲載された。また国際学会IEEE/SICE International Symposium on System Integrations (SII 2024)では、Best Paper AwardのFinalistに選出された。以上のように本課題のアイディアや基礎技術について、国内外に積極的に発信を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、熱輸送システムによる温度制御・認識技術の構築を行い、熱を用いた材料識別の実験検証を行った。さらに熱流値を用いた手法も提案し、温度応答による識別と比較して識別時間の短縮や精度の向上を実現し、材料識別に加え表面粗さの異なる接触材料についても有効性を示した。本成果について論文誌や学会誌に掲載され、 本課題のアイディアや基礎技術について国内外にアピールすることができた。以上より、本年度までの進捗はおおむね良好と言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は開発した熱輸送システムを用い、さらなる認識精度の向上を目指して制御デバイスの改良や認識アルゴリズムの拡張を行う。また水流システムの見直しなどより効率的な熱輸送の方法について模索し、熱の活用範囲・可能性を拡張する。ロボットによるタスクと紐づけたデモンストレーションを見据え、本提案手法に適したロボットのタスクを選定し、基礎実験を通しその有効性を示す。
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