研究課題/領域番号 |
23K13308
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
日高 勇気 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (30908398)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 異種統合型モータ / 永久磁石モータ / 巻線界磁モータ / トポロジー最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、電気自動車への応用を視野に、巻線界磁モータと永久磁石モータと呼ばれる、全く異なる特徴を持つモータの最適化設計を、個別に進めてきた。本研究では、性能・構造が異なる2つのモータを、長所を生かしたまま1つのモータに統合する、モジュール組合せ型トポロジー最適化法を開発する。本研究により、例えば電気自動車用モータにおいて、市街地走行時の高い電費と、高速走行時の加速性能の両立など、これまでにない性能が実現できる。また、1つのモータで2つのモータ特性を持つ、異種統合型モータの構造概念を確立することで、従来範疇にない新たな設計知見獲得と、モータ性能の飛躍的向上を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、電気自動車向けに広く用いられる、巻線界磁モータと永久磁石モータの、両長所を備えた異種統合型モータを実現する。目的達成のため、両モータ向けに最適設計されたベースモデルを用意する。次に、共通の格子メッシュで分割し、本格子メッシュを用いて組合せ最適化を実施する。すなわち、両モータの特徴的構造(=モジュール)を組合せ設計する、モジュール組合せ型トポロジー最適化法を提案する。 本年度は、モジュール組合せ型トポロジー最適化法に用いる、格子メッシュに関する基礎検討を実施した。具体的には、格子メッシュに必要な分解能・サイズについて基礎調査した。格子メッシュを粗いサイズから、細かいサイズまで段階的に変更し、各メッシュで解析精度を確認した。最適化に用いるメッシュサイズは解析精度に影響する一方で、サイズが小さすぎると最適化変数の増大に繋がる。そのため、充分な精度を維持しつつ、極力サイズの大きい格子メッシュを用いることが望ましい。これら検討の結果、モジュール組合せ型トポロジー最適化に用いる、格子メッシュの仕様が定まった。 次に、基礎検討モデルを用いて、モジュール組合せ型トポロジー最適化の実現性を確認した。上述で選定した格子メッシュを用いた結果、現実的な計算時間で設計解を獲得可能なことが確認された。また、従来ない特徴的な構造を有しており、本研究で提案するモジュール組合せ型トポロジー最適化法は、先行研究で提案されている方法では得られない新たなモータ構造を獲得可能なことが分かった。 上述のように、当初の計画通り、提案するモジュール組合せ型トポロジー最適化法の実現性を明らかにし、最適化ベースエンジンの確立に至った。次年度は、構築した最適化法を用いて、電気自動車仕様でモータ最適設計を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、モジュール組合せ型トポロジー最適化法のベース最適化エンジンを確立した。また、同成果をIEEE Transacton on Magneticsに投稿・掲載し、得られた成果を積極的に公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、次年度は提案するモジュール組合せ型トポロジー最適化法を用いて、電気自動車仕様でモータ最適設計に取組む。また、最終年度に予定する実機検証に向けて、トポロジー最適化で得られる最適形状を、試作に耐えうる構造にブラッシュアップする予定である。
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