研究課題/領域番号 |
23K13309
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
渡辺 大貴 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (90967796)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Current-fed DAB / ワイドレンジ / マルチレベル / DC/DCコンバータ / ソフトスイッチング / 高パワー密度 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請の目的はカーボンニュートラルの実現に向けて,再生可能エネルギーなどの不安定な出力特性を有する様々なエネルギー電源を,幅広い運転条件下で高効率に直流配電システムへ連系する電力変換器を開発することにある。本研究の独自性は複数の電力変換回路を1つに統合した新しいDC/DC電力変換器を提案し,その協調動作によって従来成しえなかった超広範囲な動作領域で高効率化を実現することである。この結果,再生可能エネルギー用途に留まらず,既存の交流系統へ連系する電力変換器など,アプリケーションの垣根を超えて電力変換システムの超高性能化を実現することができる。
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研究実績の概要 |
本申請の目的はカーボンニュートラルの実現に向けて,再生可能エネルギーなどの不安定な出力特性を有する様々なエネルギー電源を,幅広い運転条件下で高効率に直流配電システムへ連系する電力変換器を開発することにある。 本研究の独自性は複数の電力変換回路を1つに統合した新しいDC/DC電力変換器を提案し,その協調動作によって従来成しえなかった超広範囲な動作領域で高効率化を実現することである。この結果,再生可能エネルギー用途に留まらず,既存の交流系統へ連系する電力変換器など,アプリケーションの垣根を超えて電力変換システムの超高性能化を実現することができる。 令和5年度は回路トポロジーを統合したDC/DC電力変換回路の目標仕様の策定と回路方式の決定を行った。幅広い電圧範囲で高効率を実現する回路方式として,Dual Active Bridge コンバータとマルチレベルコンバータを統合したマルチレベルCurrent-Fed DC/DCコンバータ回路を提案した。電流三角波モードを活用することで幅広い電圧範囲に対して電流実効値を抑制でき,損失を低減可能であることが確認できた。さらにマルチレベル回路の自由度を活かし,フルブリッジモードとハーフブリッジモードの2つの動作モードを適用することで効率が改善可能であることを確認した。 基礎実験において,入力電圧 320 V の条件時にハーフブリッジモードでの昇圧キャパシタ電圧を従来の 400 V から 480V へ高くすることでトランス電流実効値を 31.6 A から 20.4A へと 36.6%低減し,損失を 39%低減できていることを確認した。入力電圧 320V における効率を 92.5%から 94.7%に改善できていることを確認できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
幅広い運転条件下で高効率な電力変換が可能なマルチレベルCurrent-Fed DC/DCコンバータを提案し,その基本動作をシミュレーションおよび実験で確認できており,概ね順調に課題を遂行できている。また損失解析を行い,損失主要因を特定することで高効率化に向けた課題を整理できている。基礎実験において,入力電圧 320 V の条件時にハーフブリッジモードでの昇圧キャパシタ電圧を従来の 400 V から 480V へ高くすることでトランス電流実効値を 31.6 A から 20.4A へと 36.6%低減し,損失を 39%低減できていることを確認した。入力電圧 320V における効率を 92.5%から 94.7%に改善できていることを確認できている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度において提案するCurrent-Fed DC/DCコンバータの基本的な動作検証まで完了した。令和6年度は詳細な損失モデルを策定し,さらなる高効率化手法を検討する。特に令和5年度の検討においては損失解析にてトランスやインダクタといった磁性体の損失は十分に考慮できていなかった。またマルチレベル回路におけるフライングキャパシタの電圧が効率に影響を与えることが令和5年度の検討で明らかになっている。そこで令和6年度では詳細な損失解析に加え,高効率化のための回路設計手法などを検討していく予定である。また負荷電力に対する効率特性に関しても検討が十分ではなかったため,こちらについても実験等で検証していく予定である。
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