研究課題/領域番号 |
23K13312
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大友 佳嗣 長崎大学, 工学研究科, 助教 (60964442)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 永久磁石モータ / 同期リラクタンスモータ / トポロジー最適化 / ガボールフィルタ法 / ブーリアン幾何射影法 / マルチフィジックス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,同期モータの磁気・力学・熱特性を実機駆動条件下において飛躍的に改善する,マルチフィジックス3次元トポロジー最適化法を開発する。本手法により,電気自動車などにおける厳しい要求仕様を満足する,同期モータの革新的な3次元構造を実現可能とする。さらに,機械学習を用いた最適化時間の高速化により,実際のモータ開発現場における本最適化法の活用を目指す。
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研究実績の概要 |
申請者はこれまで,計算機を用いて同期モータの最適な回転子構造を自由変形により探索する,3次元トポロジー最適化法を開発してきた。しかし,申請者がこれまで検討してきた手法はモータの磁気特性改善に限定されており,高速回転時における機械強度や磁石耐熱性能をも考慮した,実用に耐える3次元トポロジー最適化手法の確立には至っていなかった。 本研究では,同期モータの磁気・力学・熱特性を実機駆動条件下において飛躍的に改善する,マルチフィジックス3次元トポロジー最適化法を開発する。本手法により,電気自動車などにおける厳しい要求仕様を満足する,同期モータの革新的な3次元構造を実現可能とする。 2023年度は上記目的を達成するため,次の研究を実施した。(1)トポロジー最適化においてスリット状の磁気コア形状を実現するためのガボールフィルタ法を開発し,永久磁石モータの磁気特性改善における有効性を示した。(2)磁石寸法パラメータと磁気コアトポロジーを同時に考慮可能な永久磁石モータの3次元トポロジー最適化法を開発した。(3)非対称永久磁石モータのマルチマテリアル3次元トポロジー最適化法を開発し,対称構造に対して大幅にトルク性能を改善できることを示した。(4)実製造性を考慮しながら,設計領域内において磁石形状を自由に表現可能とするブーリアン幾何射影法を開発し,既存の寸法パラメータ最適化では得ることが難しい,新規の回転子構造を実現することに成功した。 これらの研究成果はいくつかの国内学会および国際会議において既に発表しており,原著論文を現在3件投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度はガボールフィルタ法やブーリアン幾何射影法といったトポロジー最適化法を開発し,スリット状の磁気コアを含む永久磁石モータの新しい最適形状を導出することに成功した。また,上記手法を利用した3次元トポロジー最適化により,既存の設計概念では導出困難であった新規の3次元回転子構造を実現することに成功した。以上より,2023年度は当初の計画通り,順調に研究が進捗していたと考える。 なお,永久磁石モータの3次元形状最適化法については,電磁界解析に関する最大の国際会議(CEFC2024)で発表した後に,学術雑誌(IEEE Transactions on Magnetics)に投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は以下の研究を実施予定である。(a)ガボールフィルタ法やブーリアン幾何射影法を用いて,磁気・機械・熱特性を考慮した永久磁石モータ最適形状の導出に取り組む。(b)既存の2次元最適形状に対する,3次元最適形状の優位性を磁界分布などから定量的に示す。(c)実機における実際の運転領域(低速・高トルク領域,高速・低トルク領域)を考慮した最適化を行い,広い運転範囲においてロバストな永久磁石モータ最適形状の導出に取り組む。
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