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ワイヤレスコイル系と回路系の同時最適化に基づくワイヤレス給電系の高速設計法

研究課題

研究課題/領域番号 23K13314
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分21010:電力工学関連
研究機関青山学院大学

研究代表者

佐藤 佑樹  青山学院大学, 理工学部, 助教 (00966004)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードワイヤレス給電システム / ワイヤレスコイル / インダクタ / モンテカルロ木探索 / 最適設計 / ワイヤレス給電系 / 最適化 / 機械学習
研究開始時の研究の概要

ワイヤレス給電システムは、インバータ、マッチング回路、整流器等から構成される回路系とワイヤレスコイルの磁気系から構成されるが、その最適設計の際には回路系と磁気系は同時に設計が行われておらず、設計者の知見と経験をベースに段階的に設計が行われている。本研究では、3次元有限要素解析をベースとした磁気系の設計と回路系の設計を同時に行うことを可能とする手法を提案し、ワイヤレス給電システムの限界性能への到達を試みる。均質化有限要素法と機械学習の併用を行い、3次元有限要素解析の精度を保ちながら、ワイヤレス給電システム系の高速な最適設計を実現する。

研究実績の概要

ワイヤレス給電システムは、インバータ、マッチング回路、整流器等から構成される回路系とワイヤレスコイルの磁気系から構成されるが、その最適設計の際には回路系と磁気系は同時に設計が行われておらず、設計者の知見と経験をベースに段階的に設計が行われている。一方で、ワイヤレス給電系の効率は、さまざまな回路系やワイヤレスコイルの要因により決定されるため、システムレベルでの効率の最大化が求められる。そのため、現在の設計において、ワイヤレスコイルの解析・設計精度の点からも、ワイヤレスコイルの限界性能を引き出すことができているかは疑問が残っており、本研究では磁気系と回路系の同時最適化により、ワイヤレス給電システムの限界性能を引き出す設計が可能であるかを研究している。
本年度は、以下の2点に関して検討を行った。
1.ワイヤレス給電の磁気系であるワイヤレスコイルの高速設計法に関して検討を行った。均質化と呼ばれる方法を用いることにより、ワイヤレスコイルで多く使用されている細線が束ねられているコイルの高速解析法の提案を行った。この方法を用いることにより、ワイヤレスコイルの高速設計法の提案を行った。
2.回路系に含まれる磁気素子であるインダクタの最適設計に関する研究を行った。従来までは多くの組み合わせから設計者の経験と知識でインダクタ設計を行なっていたが、本研究ではAI技術の一つであるモンテカルロ木探索を用いることにより、インダクタの最適設計を行なった。これにより、従来設計されたインダクタと比べ、効率を維持しながら、50%以上のインダクタの小型化が達成できた。
次年度以降は、回路系と磁気系の同時最適化に基づくワイヤレス給電システムの高効率設計を行う。2023年度に開発した方法に回路系を組み合わせることにより、同時最適化法の開発を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2023年度は、主に以下の2点に関して検討を行った。
(1)ワイヤレス給電コイルの高速解析法の提案, (2)モンテカルロ木探索を用いたインダクタの設計法
(1)ワイヤレス給電の磁気系であるワイヤレスコイルの高速設計法に関して検討を行った。ワイヤレス給電コイルの解析は3次元的な形状を有しており、かつ細線が束ねられている構造となっていることから計算時間が非常に長大となることが知られている。そのため、代表者らは均質化と呼ばれる方法を用いることにより、ワイヤレスコイルで多く使用されている細線が束ねられているコイルの高速解析法の提案を行った。また、均質化法を用いた最適化法を提案し、100倍以上高速に最適化を行えることを示した。
(2)回路系に含まれる磁気素子であるインダクタの最適設計に関する研究を行った。回路系に含まれるインダクタはサイズが大きくかつ損失が多いことが問題となっていた。そのため、効率を最大化にしながら、小型化が求められていた。一方、従来までは多くの組み合わせから設計者の経験と知識でインダクタ設計を行なわれており、最適な設計がなされているかは疑問が残っていた。そこで、本研究ではAI技術の一つであるモンテカルロ木探索を用いることにより、インダクタの最適設計を行なった。これにより、従来設計されたインダクタと比べ、効率を維持しながら、50%以上のインダクタの小型化が達成できた。

今後の研究の推進方策

2024年度は、本研究の目的である磁気系と回路系の同時最適化に向けて、検討を行っていく。2023年度に開発を行った高速解析手法とモンテカルロ木探索に基づいた最適化手法を組み合わせることにより、高効率な最適設計法の検討を行う。これにより、同時最適化とこれまで行っていた段階的な最適化手法との比較を行い、本手法の有効性を議論する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Homogenized Finite Element Analysis for Multi-Turn Coils Considering Parasitic Capacitances2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Yuki、Ishii Daisuke、Matsumoto Hirokazu、Igarashi Hajime
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Magnetics

      巻: 60 号: 3 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1109/tmag.2023.3312070

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Time-Domain Homogenized Finite Eddy Current Analysis Using Recursive Convolution Method2023

    • 著者名/発表者名
      Y. Sato, S. Hiruma, H. Igarashi and H. Matsumoto
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Magnetics

      巻: 59 号: 5 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1109/tmag.2023.3245056

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 並列型モンテカルロ木探索を用いた複数インダクタの同時設計法の検討2024

    • 著者名/発表者名
      御園惟人, 広沢友貴, 佐藤佑樹, 松本洋和
    • 学会等名
      電気学会静止器回転機合同研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 2-Step Monte Carlo Tree Search for Optimal Design of High-Frequency Toroidal Inductors in Power Electronics Circuits2024

    • 著者名/発表者名
      Misono, Nobuto; Hirosawa, Tomoki; Sato, Yuki; Hirokazu, Matsumoto
    • 学会等名
      CEFC2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] モンテカルロ木探索を用いた高周波トロイダルインダクタの最適設計2023

    • 著者名/発表者名
      御園惟人, 広沢友貴, 渡邉瞭, 伊藤龍太, 佐藤佑樹, 松本洋和
    • 学会等名
      電気学会 電子・情報・システム部門大会 2023年8月30日
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高周波パワーエレクトロニクス回路の高効率化に向けた磁気部品のシミュレーション・設計技術2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤 佑樹, 石井 大亮, 御園 惟人, 広沢 友貴, 松本 洋和
    • 学会等名
      電気学会 産業応用部門大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Fast Shape Optimization of Wireless Coils for High-Frequency Wireless Power Transfer Using Homogenized Finite Element Analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ishii, Yuki Sato, Hirokazu Matsumoto
    • 学会等名
      Compumag2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Homogenized Finite Element Analysis for Multi-Turn Coils Considering Parasitic Capacitances2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Sato, Daisuke Ishii, Hirokazu Matsumoto, Hajime Igarashi
    • 学会等名
      Compumag2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考] 青山学院大学 教員情報

    • URL

      https://raweb1.jm.aoyama.ac.jp/aguhp/KgApp?resId=S000915

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Reseach map

    • URL

      https://researchmap.jp/yuki_sato_1005

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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