研究課題/領域番号 |
23K13340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
山口 祐也 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター, 主任研究員 (30754791)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 薄膜LN変調器 / 広帯域変調器 / 光変調 / 光ファイバ無線 / 光ファイバ通信 / 光エレクトロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
テラヘルツ帯電磁波と通信波長帯光波間のコヒーレントな変換技術を開発し、光ファイバ通信分野で培われた技術の拡張的応用により未だ開拓途中であるテラヘルツ帯電磁波の自在な信号制御を目的とする。具体的には、本研究期間内にサブテラヘルツからテラヘルツ帯の無線信号を通信波長帯である1.5um帯の光波信号に変換可能とする光変調器を開発する。これまでに開発した要素技術である薄膜LN加工技術と電気光学的周波数領域等化技術を駆使することで、サブテラヘルツ~テラヘルツ帯信号と光波間の高効率な変換を実現する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、テラヘルツ帯電磁波と通信波長帯光波間のコヒーレントな変換技術を開発し、光ファイバ通信分野で培われた技術の拡張的応用により未だ開拓途中であるテラヘルツ帯電磁波の自在な信号制御を目的として、サブテラヘルツからテラヘルツ帯の無線信号を通信波長帯である1.5um帯の光波信号に変換可能とする光変調器の開発を進めている。これまでに開発した要素技術である薄膜LN加工技術と電気光学的周波数領域等化技術を駆使することで、サブテラヘルツ~テラヘルツ帯信号と光波間の高効率な変換を実現する。 2023年度は1um以下のニオブ酸リチウム結晶が低誘電率基板上に接合された薄膜LN基板を用いた光変調器の作製に成功し、15mmの作用長を持つ変調器において70GHzの3dB帯域幅を確認した。また、これを基本構造として、さらに我々の保有している電気光学的周波数領域等化技術を適用した新しい構造のデバイスでは110GHzを超える3dB帯域を確認した。なお、当該デバイスでは1dB帯域においても110GHzを超えており、測定装置の動作周波数上限から定量的な3dB帯域の評価を行うことができていないが、200GHz級のサブテラヘルツ帯域を有しているものと周波数領域でのフィッティングカーブに基づいて推定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度までに薄膜LN変調器の作製技術は確立しており、他機関からも報告されているような典型的な構造の光変調器は保有する自身の設備で作製できる状況にある。また、その一般的な構造に対して我々の保有していた電気光学的周波数領域等化技術を適用することで従来にない広帯域動作を目指していたが、結果として当該技術は試作した実デバイスにおいても理論通りに動作し、サブテラヘルツ帯である110GHzを超える3dB帯域を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はさらなる広帯域化を目指すとともに、光変調器のテラヘルツ帯における評価装置・手法についても検討・検証を進める。光ファイバ通信用光変調器に関する測定器である光コンポーネントにおいて、2024年4月現在で市販されている最高性能のものであってもその動作周波数帯域は110GHzまでとなっており、110GHzを超える周波数で測定可能な装置自体が一般的に入手不可能であるためである。初期の検討としては、光変調器の電気的な応答のみを測定し、その実測値から電気光学的応答を推定する予定である。また、平行してサブテラヘルツ~テラヘルツ帯における特定の帯域毎に測定可能な系の構築を進める。
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