研究課題/領域番号 |
23K13352
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
仲野 聡史 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30847893)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 制御工学 / ドローン / 協調制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,車輪が取り付けられていない「従来型ドローン」と2つの車輪が取り付けられた「車輪付きドローン」の二種類のドローンを併用する,エネルギー効率が考慮された持続的協調制御システムを構築する.まず,「車輪付きドローン」のみを用いるドローン群に対する,飛行モード・車輪走行モードを適切に切り替える協調制御系を構築する.つぎに,「従来型のドローン」を加えた二種類のドローンが混在するドローン群に対する協調制御問題の定式化を行い,エネルギー効率を考慮した持続的協調制御を実現することを目指す.最後に,提案手法の有効性を実機実験により確認する.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,車輪が取り付けられていない「従来型ドローン」と2つの車輪が取り付けられた「車輪付きドローン」の二種類のドローンを併用する,エネルギー効率が考慮された持続的協調制御システムの構築を目的としている.この研究目的の達成に向けて,当初の研究計画に記載した,研究内容1「カメラ視野角を考慮した協調制御系設計」および研究内容2「車輪付きドローンのみを用いた協調制御系設計」の2つに取り組んだ. 研究内容1に関して,ドローンの制御問題を扱う準備として,ドローンの位置・姿勢のうち姿勢のみを考慮した制御問題に注力した.カメラの視野角を,姿勢のみを考慮した制御問題における制約と考え,制約を考慮した姿勢制御手法を理論的に構築した.構築した制御手法は,制約を考慮することが可能な制御手法の一種であるリファレンスガバナを応用しており,3次元特殊直交群(SO(3))という一対一に姿勢を表現できる形式に基づいている. 研究内容2に関して,まず1台の車輪付きドローンに対して,エネルギー効率を考慮した制御手法を構築することに取り組んだ.この研究内容に関して,ロータ推力によるドローンの飛行と車輪による走行を適切に切り替えることによりエネルギー効率を向上させる制御手法を提案した.この切り替えに,制御バリア関数と呼ばれる制約を考慮するための手法を応用し,実機実験も実施した.さらに,車輪付きドローンが拘束面上を移動する際に,過剰な推力を発生させエネルギー効率が低下することを抑制する制御則の提案も行い,実機実験にも取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では協調制御系の設計に主に取り組む予定としていたが,研究課題開始後に細分化して設定した1台のドローン・車輪付きドローンの制御系設計に,計画以上の成果が得られた.一方,協調制御系の設計については,計画からの遅れが生じている. 主に1台のドローン・車輪付きドローンを用いる実験環境構築については,順調な進捗が得られた一方,複数台のドローン・車輪付きドローンを用いる実験環境構築には着手できていない.そのため,現在までの進捗状況は(3)やや遅れていると評価することが妥当であると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた1台のドローン・車輪付きドローンに対する制御手法を応用した,複数台のドローンの協調制御手法の構築に取り組む.特に,制御バリア関数に基づく手法は幅広く協調制御手法に拡張されているため,これまでに得られた制御手法の拡張を検討する.並行して,複数台のドローン・車輪付きドローンを用いる実験環境の構築に取り組み,提案手法の有効性を検証する.
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