研究課題/領域番号 |
23K13364
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岡本 一輝 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60965937)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 強誘電体 / ナノ構造 / 圧電体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は一次元的なロッド形状をもつナノ構造であるナノロッド構造で特有な脱分極電界により酸化ハフニウム基強誘電体の圧電特性向上を実現することである。近年強誘電体材料として注目されている酸化ハフニウム基強誘電体の電気エネルギーと機械エネルギーを相互変換可能な圧電体材料としての可能性を開拓及び発展を目指す。酸化ハフニウム基強誘電体を用いてナノロッド構造を作製し、側面の不完全な電荷遮蔽がもたらす脱分極電界を通した材料特性制御手法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
2011年に蛍石型酸化ハフニウム基材料にて準安定相である直方晶相において強誘電性が報告された。以来、その材料特性の解明は大きな興味の一つである。これら材料群は特に極薄膜においても強誘電性を発現することから、強誘電性を利用したメモリデバイスへの応用が注目されている一方で、強誘電体の電気エネルギーと機械エネルギーを相互変換可能な圧電特性については研究が進められているものの明らかではない。 本研究の目的は一次元的なロッド形状をもつナノ構造であるナノロッド構造で特有な脱分極電界により酸化ハフニウム基強誘電体の圧電特性向上を実現することである。まず、このナノロッド構造の作製の前段階として必要な強誘電体薄膜の作製を行う。その後ボトムアップ法またはトップダウン法を用いたナノロッド構造材料の作製に取り組む。 初年度において、パルスレーザー堆積法を用いたCe添加HfO2強誘電体薄膜の作製を行った。Hf:Ce比及び膜厚の異なる薄膜の作製を行った。現在はそれらの結晶構造の解析と電気特性評価を進め、強誘電相安定領域の解明に取り組んでいる。その強誘電相安定領域は組成や膜厚に対して変化することが明らかになった。本来は強誘電性を示さない正方晶相領域でも強誘電性が観察されており、今後はそれらの解析評価を進めるとともに、これらの知見に基づいてナノロッド構造材料の前段階となる薄膜の作製条件を明らかにし、そのナノロッド構造の作製に取り組む。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までの進捗状況の自己点検による評価は、やや遅れている、である。 パルスレーザー堆積法を用いた手法により、ナノロッド構造強誘電体作製の前段階として必要な強誘電体薄膜の作製に取り組んでいたが、用いているレーザーの経年劣化、光路の変化の問題により薄膜作製の進行に遅れがでた。現在までにレーザーの調整及びその再現性向上のための工夫を行い、再現よく薄膜作製ができるように取り組んだ。 2年目で、現在進めている作製した薄膜について結晶構造と電気特性の評価を行う。これにより、ナノロッド構造作製に適した組成・膜厚を決定し、ナノロッド構造の作製に取り組んでいく。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度では、パルスレーザー堆積法を用いたCe添加HfO2強誘電体薄膜の作製を行った。ここでは、組成と膜厚の異なる薄膜を作製した。 現在進めている結晶構造・電気特性評価を進め、これにより、ナノロッド構造作製に適した組成・膜厚を決定し、ナノロッド構造の作製に取り組んでいく。
|