研究課題/領域番号 |
23K13371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村田 博雅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (10909576)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多層グラフェン / 結晶成長 / 電子源 / グラフェン |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンをデバイス応用するためには、グラフェンの形状・配向性を制御する技術が重要となる。本研究では、研究代表者のグラフェン合成技術をベースとし、電子源製造における微細加工技術と融合することで、グラフェン三次元構造体の合成技術を開発する。また、合成したグラフェン三次元構造体をエミッタとする電子源を作製し、グラフェンエミッタの電子放出を実証するとともに、電子放出機構を解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
グラフェンは、その特異な構造と電子状態から電子源材料として有望であるが、従来技術では形状・配向性を制御した多層グラフェンの直接合成が困難であり、デバイス応用に向けた課題となっていた。研究代表者はこれまでに、非晶質炭素と触媒金属の層交換現象を用いることで、高品質なグラファイト薄膜(多層グラフェン膜)の絶縁体上への直接合成を達成している。本研究では、研究代表者が開発してきた多層グラフェン合成技術をベースとして、微細加工プロセスと融合することで、三次元構造のグラフェン合成技術を開発するとともに、グラフェン三次元構造体をエミッタとする電子源デバイスを作製し、電子放出特性を実証・評価することを目的とする。 本年度は、グラフェン三次元構造体の合成技術の実現に向けて研究を実施した。はじめに、フォトリソグラフィや反応性イオンエッチングなどを用いた微細加工プロセスにより、細線形状の非晶質炭素/金属触媒(Ni)を熱酸化Si基板上に作製した。その後、熱処理により層交換現象を誘起した結果、多層グラフェン細線を直接合成することに成功した。合成した多層グラフェンについてはラマンスペクトルおよび断面TEM観察により結晶性を評価し、細線全体にわたり比較的結晶性の高いグラフェンが基板に平行に積層していることがわかった。また、細線の電気伝導度を四端子法により評価したところ、層交換合成した多層グラフェン薄膜と同等の電気伝導度を示すことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、細線形状にパターニングした非晶質炭素とNiの層交換を誘起することで三次元構造の多層グラフェンを合成することに成功し、計画通りの進展が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に構築したグラフェン三次元構造体をベースに、ゲート電極などを含めた電子放出デバイスの作製プロセスを開発するとともに、電子放出特性の実証・評価を目指して研究を推進する。
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