研究課題/領域番号 |
23K13378
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
常安 翔太 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 講師 (40825395)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 近赤外光源 / 面発光デバイス / 分散型EL / エネルギー移動 / 伝熱特性解析 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに申請者は、形状の自由度に優れた独自の排熱システムによって、世界で初めて低温駆動可能な分散型電界発光(EL)デバイスの開発に成功してきた。一方で、排熱性の最大化は未検討であり排熱性向上に対する課題であった。本研究では、独自に見出した排熱システムの排熱性を最大化するだけでなく、熱失活の影響が顕著な近赤外光へと展開し、低温駆動化による高強度近赤外ELデバイスの実証を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、これまでに成果を挙げてきた分子間相互作用解析に関する知見を活かし、蛍光体から近赤外発光材料へのエネルギー移動により近赤外光の発現が可能な分散型電界発光(EL)素子を構築するとともに、同様に展開している排熱設計に関する知見を組み合わせることで、低温駆動化による発光増強を目指している。以下に、2023年度の研究内容を示す。 従来の分散型ELによる赤色発光では、発光層内にて2段階のエネルギー移動(蛍光体材料→緑色蛍光色素→赤色蛍光色素)が利用されてきた。しかしながら、エネルギー損失やデバイス構築の困難さの観点から不利となるため、1段階のエネルギー移動による赤色発光の実現が求められている。これに対し、大きなストークスシフトにより赤色発光を示す大環状ナフタレンジイミドを採用することで、蛍光体から直接のエネルギー移動により赤色発光を実現した。本知見を踏まえ、発光層内にZnS系蛍光体、赤色蛍光色素2-tert-Butyl-4-(dicyanomethylene)-6-(1,1,7,7-tetramethyljulolidin-9-yl)-4H-pyran(DCJTB)、近赤外蛍光色素Rhodamine 700を所定量添加した分散型EL素子を構築し、交流電圧を印加したところ、波長700 nm付近にRhodamine 700由来の発光ピークが観測された。このことから、蛍光体による青色発光を励起源としてDCJTBからRhodamine 700へのエネルギー移動による近赤外発光の発現に成功した。さらに、セルロース製の紙基板中に水和イオンの配位子置換反応によって吸光度制御可能なコバルト錯体を導入することで、周囲の湿度変化を発光色変化として可逆的に可視化できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近赤外発光材料のみの発光スペクトルは得られていないものの、近赤外発光材料に起因する発光ピークの観測に成功している。また、分散型ELのエネルギー移動に関する知見が集積できたことから、(2)のおおむね順調に進展している、とした。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、近赤外発光材料へのエネルギー移動による近赤外光の発現に成功したものの、発光強度の低さが課題である。2024年度は、デバイス構造、材料組成、駆動電圧・周波数の最適化ならびに、排熱システムの導入により近赤外発光増強を目指す。また、さらなる長波長化を目的として、3段階のエネルギー移動についても検討する予定である。
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