研究課題/領域番号 |
23K13390
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原田 健二 木更津工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (20804876)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コンクリート / 高濃度水溶液 / 塩化ナトリウム / 断熱温度上昇特性 / 乾燥収縮 / 高炉スラグ微粉末 / 自己養生 / 塩化物 / 硬化促進剤 |
研究開始時の研究の概要 |
混和材として高炉スラグやフライアッシュを用い,硬化促進剤として塩化ナトリウムや塩化カルシウムを用いることで高性能かつ環境配慮型な新たなコンクリートが実現可能であるか明らかにすることを目的とする.そのために,本研究では,練混ぜ水に塩化ナトリウムや塩化カルシウム水溶液を用いたコンクリートの性能が従来のセメントコンクリートと遜色ないか,セメントの一部を高炉スラグやフライアッシュに置換することで,練混ぜ水に塩化ナトリウムや塩化カルシウム水溶液を用いたコンクリートの性能の低下を防ぐことができるかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
塩化ナトリウムなどの硬化促進剤および高炉スラグ微粉末を用いることで従来のセメントコンクリートより高性能な環境配慮型コンクリートが実現可能かを明らかにするために,2023年度では,粗骨材として石灰岩,セメントには普通ポルトランドセメントおよび高炉セメントB種,練混ぜ水として高濃度(20%以上)なNaCl水溶液を用い,高濃度なNaCl水溶液を用いたコンクリートの性能が従来のセメントコンクリートより性能が向上するかを主眼に置いて種々の実験を行った. 普通ポルトランドセメントの場合では,練混ぜ水として極端に高濃度なNaCl水溶液を用いるとスランプ値が向上するだけでなく,水分浸透速度も低下し,断熱温度上昇量および速度が低下し,コンクリート中の自由水の逸散の抑制に伴い乾燥収縮は一般的な収縮低減剤と同程度の効果があり初期ひび割れの対策としての有効性が示唆された.強度発現については,練混ぜ水のNaCl濃度が極端に高い場合は遅くなるが,コンクリート中の自由水の逸散の抑制効果により,屋外気中養生でも封かん養生と同程度の強度発現をすることを明らかにした. 高炉セメントB種の場合では,普通ポルトランドセメントで確認されたスランプ値の向上,水分浸透速度の低下,初期ひび割れの対策としての有効性および屋外気中養生でも封かん養生と同程度の強度発現をするが同様に確認された.強度発現については普通ポルトランドセメントと異なり,練混ぜ水のNaCl濃度が極端に高い場合でも強度発現が早くなることが明らかになった.これらのことから,練混ぜ水として高濃度NaCl水溶液を用いることでコンクリート単体については性能が向上することが明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
練混ぜ水として高濃度なNaCl水溶液を用いた場合のセメントコンクリートおよび高炉セメントコンクリートの物理化学的特性値については鋼材腐食に関するもの以外については概ね明らかにし,計画していた,実構造物サイズの温度応力解析,乾湿挙動解析,収縮解析を行うことができようになったため,概ね研究は順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では,予定した解析を行いながら,セメントとして高炉セメントC種を用いた場合の検討,鋼材腐食に及ぼす影響の検討も並行して行う.それだけでなく,強度発現のメカニズムを解明するために水和度に及ぼす影響についても検討を行うことで,当初予定していた実構造物サイズの温度応力解析,乾湿挙動解析,収縮解析に水和度を考慮した強度発現を考慮することで実環境下における長期性状の変化をより精緻に表現できるようになると考えている.
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