研究課題/領域番号 |
23K13393
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
近広 雄希 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10778905)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | シザーズ型緊急橋 / シザーズ構造 / 応力集中 / FEM解析 / 平衡力学理論 / ピン接合 / FEM |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,シザーズ橋のピン接合部に生じる応力集中がシザーズ橋の性能に与える影響を解明し,この応力集中の理論構築を行う。具体的には,まずシザーズ橋の母材単体とみなした有孔部材の応力集中の理論構築を行い,その知見をシザーズ橋のピン接合部へと拡張する。構築した理論は,FEM解析・実験結果を比較し検証する。本研究により,断面力と応力集中の関係が明らかとなり,ピン接合部の安全性が瞬時に評価できるため,地震時のような複雑な挙動に対しても,ピン接合部の最適な形状を決定できるようになる。
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研究実績の概要 |
シザーズ橋は災害後の早期架橋を目的とした折畳み可能な橋である。既往の研究では,力の釣合いを基本としたシザーズ構造体の平衡力学理論が提案され,シザーズ橋の母材に生じる断面力やたわみを算出することができた。しかし,これまでの理論ではシザーズ橋の部材交差部にあるピン接合部の応力集中の影響までを考慮したものではなかった。そのため,本研究では,シザーズ橋のピン接合部に生じる応力集中がシザーズ橋の性能に与える影響を解明し,この応力集中の理論構築を行うことを目的とする。 研究初年度は,シザーズ橋のピン接合部の応力集中を明らかとするための準備段階として,シザーズ橋の母材単体に着目し,実際のシザーズ橋に生じうる軸力,曲げモーメント,接触力がそれぞれ作用する場合の円孔近傍の応力集中を明らかとした。ここでは,西田らやHollandらの薄板材の応力集中評価に関する基礎理論の適用を試み,FEM解析から得られた直応力やミーゼス応力に対する妥当性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既往のシザーズ橋の母材単体を参考に,軸力,曲げモーメント,接触力がそれぞれ作用する場合の円孔近傍の応力集中の理論値を算出し,FEM解析で得られた結果に対して概ね妥当な値を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
シザーズ橋の母材単体で検証することができたため,次年度はシザーズ構造へと拡張し,理論式の適用性を探る。この時,軸力と曲げモーメントの理論解を探るために,既往の平衡力学理論を用いる予定である。また,接合部近傍の接触力の影響範囲については知見が少ないため,FEM解析を用いて理論式への還元方法を検討する。
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