研究課題/領域番号 |
23K13398
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
下妻 達也 福岡大学, 工学部, 助教 (70847756)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 構造同定 / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
老朽化する橋梁の増加に対し,時間・費用を要する目視点検に変わる効率的な診断手法の確立は急務の課題である.これに対し,橋梁の損傷による振動の変化に着目した研究が行われているが,従来の方法では振動の分析に使用するパラメータを試行錯誤的に決定する必要があった.本研究はこのパラメータ設定を自動化し,さらに,橋梁の振動計測から振動分析までを自動的に実施するシステムの開発を行う.また,開発したシステムを様々なタイプの橋梁および環境下へ適用し,システムの妥当性を検証する.
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研究実績の概要 |
橋梁の振動特性を専門家でなくても自動的かつ高精度に推定するシステムの構築を目指しており,昨年度は振動特性推定の推定手法の改良およびモニタリングシステムの構築を予定していた.本システムにおける振動特性推定では確率的部分空間法(以下,SSIと記す)および周波数帯域の分離推定法(以下,分離推定法と記す)を用いているが,従来は専門知識を有する者が試行錯誤しながら各種パラメータの設定を行う必要があった.今年度は各種パラメータの内,結果に及ぼす影響の大きい3つのパラメータ(SSIのモデル次数,特異ベクトル長および分離推定法の振動数閾値)を一義的に決定する方法の検討を行ったが,シミュレーションおよび実橋梁計測の振動データから最適値を決定する手法を開発することができた. また,これらの手法を組み込んだ計測システムを開発した.過酷な環境下でも動作するノートPC ToughbookにNational Instruments社のA/Dコンバータ,TEAC社の加速度センサから構成されるシステムで,MATLABのData Acquisition Toolbox等を活用して開発したプログラムによりこれらの機器の制御を行い,橋梁の振動計測を行う.また,得られた振動データからSSIおよび分離推定法を用いて振動特性推定を自動的に行えるようにした. 今後は開発したシステムを用いて様々な橋梁での振動計測・振動特性推定を実施する予定であるが,パラメータ決定方法の検討において他にも検討すべきパラメータがいくつか明らかになり,次年度はこれらのパラメータについても一義的に決定する方法を検討し,最終的に計測システムへ組み込む予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の目標であるパラメータ決定方法の検討およびシステム開発は完了しており,進捗状況は概ね順調と考えている.一方,検討すべきパラメータが新たに明らかになる等の課題もあるため,令和6年度は全てのパラメータ決定方法の検討とシステムへの組み込みを実施する.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り,開発したシステムを実橋梁に適用し,計測テストの実施と振動データ計測を実施する.これと平行して年度前半にパラメータ決定方法の検討を実施し,年度後半にシステムへの組み込み・実橋梁での計測テストを実施する予定である.
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