研究課題/領域番号 |
23K13421
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
坂井 孝典 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (20910780)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 都市貨物 / エージェントベースモデル / シミュレーション / 交通モデル / 物流 |
研究開始時の研究の概要 |
物流における革新が進む中、将来の都市・新たな物流システムを想定した貨物交通の予測・評価を行う必要性が高まっている。本研究では、エージェントベース都市圏貨物交通シミュレーションモデルの実装・キャリブレーションとモデルを使った分析を通して、このモデルクラスのキャリブレーション手法を明らかにするとともに、将来の貨物交通需要パターンや都市貨物のプラットフォーム型ソリューションの分析手法・効果について知見を得ることを目的とする。シンガポールやボストンで実装実績のある最新型のシミュレーションモデルの枠組を用いモデルを東京都市圏において実装し、各種分析を行う。
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研究実績の概要 |
研究実施計画に記載された3つの大項目のうち、主に①のシミュレーションモデルの実装について、作業を行った。 ①(1)データベースとコードベースの構築:PostgreSQLを用いてデータベースを作成した。また、SimMobilityFreightのフレームワークを用いた都市貨物交通モデルのコードベースを構築し、データベースと連結させた。 ①(2)東京都市圏を対象とした世帯、事業所、車両のSyntheticデータを各種統計データを用いて生成し、データベースに格納した。また、端末配送拠点やeコマースのフルフィルメントセンターについても別途、Syntheticデータを構築した。 ①(3)東京都市圏全域を対象とする場合と中央区・千代田区を対象とする場合の交通分析ゾーンの生成をおこなった。また、道路ネットワークデータを用いて、ゾーン間の時間・距離行列の作成を行った。また過去の東京都市圏物資流動調査のデータを用いて、「貨物」モデルのパラメータの再推定を行った。 以上、①の項目の作業を通して、シミュレーション環境を構築した。また、シミュレーション環境構築の過程で生成したデータ、或いは、シミュレーション環境そのものを用いて、以下の分析を行った。:端末配送拠点(ラストマイル施設)の空間分布と効率性に関する分析。オンラインショッピング需要と買い物トリップに関する分析。貨物発生モデルパラメータの経年変化に関する分析。端末配送拠点立地と交通需要の関係に関する分析。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、エージェントベース都市圏貨物交通シミュレーションのキャリブレーション手法やシミュレーションを用いた需要予測・施策評価を対象に研究を行っているが、研究実績の概要に記した通り、シミュレーション環境の設定が完了し、キャリブレーション手法の検討や需要分析に利用できる段階となっている。大項目②「モデルキャリブレーション」については、当該年度に利用可能なデータの把握を終え、主に次年度に取り組む予定であり、当初の想定通りの進捗状況であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の主な課題の1つである「運送業者選択」や「配送の車両への割り当て・車両運行計画」に関するモデルキャリブレーション手法の提案は、次年度に特に推進させることを意図している対象である。当該年度におけるデータ収集・比較検討の結果、行政が収集しているビックデータであるETC2.0プローブデータ(各車両の軌跡が把握できるデータ)が特に本課題にとって有用であることが明らかになっており、データ提供元である政府関連機関とも適切に情報交換を行いつつ、研究を進める。同時に、大項目③「シミュレーション分析」についても、特に分析意義の高い内容について、文献レビューを行い、シミュレーションの設定について検討を行うこととする。
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