研究課題/領域番号 |
23K13432
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
伊達 勇介 米子工業高等専門学校, 化学・バイオ部門, 准教授 (80505537)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 層状複水酸化物 / 界面活性剤 / 蛍光色素 / ホウ素 / 蛍光 / 環境汚染 / センシング |
研究開始時の研究の概要 |
層状複水酸化物(LDH)を基材とした新規センサは,迅速かつ高感度で分子選択性が極めて高いといった環境モニタリング材料として有意な特徴を有する.本研究では水中溶存イオンに対するセンシング能を付与することで,新規高感度センシング材料を創製し,さらなる高機能化を達成する.蛍光発光特性を詳細に評価し,多変量解析を行うことで,分子検知メカニズムについても明らかにする.
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研究実績の概要 |
近年の環境問題は、それらを引き起こす対象が微量かつ微小となり、また、その発生のバックグラウンドも複雑化している。そのため、高感度かつ分子選択性の高い我々のセンサ材料は、持続可能な開発を行うためには、必須の材料である。 層状複水酸化物(LDH)を基材とした新規センサは、迅速かつ高感度で分子選択性が極めて高いといった環境モニタリング材料として有意な特徴を有している。しかし、検知対象がガス分子に限定されるため、その用途が限定的という課題があった。そこで、本申請課題では水中溶存イオンに対するセンシング能を付与することで、さらなる高機能化を達成する。そのために、基材であるLDHに蛍光色素を複合化させた新規高感度センシング材料を創製し、その蛍光発光特性を詳細に評価することも目的としている。
炭酸イオン型Mg-Al系LDHを原料に、発光色素でホウ素検知のための指示薬であるクロモトロープ酸(CTA)および界面活性剤である1-ブタンスルホン酸(C4S)を複合化するための諸条件の検討およびその合成条件の最適化を行った。LDHに導入するCTAおよびC4S量を変化させて数種類の複合体を作製し、複合体のホウ素検知能を3次元蛍光スペクトルにより評価した。その結果、蛍光色素の導入量が低い複合体がより、ホウ素検知能が高いことが明らかとなった。一般的な色素は、固体状態や会合状態において色素が会合体を形成し、濃度消光あるいは自己消光と呼ばれる状態を引き起こすことが知られている。CTAの添加量が一定以上になると、このような会合体の形成が促進されたのではないかと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
炭酸イオン型Mg-Al系LDHを原料に、発光色素でホウ素検知のための指示薬であるクロモトロープ酸(CTA)および界面活性剤である1-ブタンスルホン酸(C4S)を複合化するための諸条件の検討およびその合成条件の最適化を行った。 予備実験からLDHの層間に酢酸イオンを導入した前駆体を作製することで、目的とするLDH/CTA複合体が作製できることが判明していたため、LDHに導入するCTAおよびC4S量を変化させて数種類の複合体を作製した。作製したこれらの複合体のホウ素検知能を3次元蛍光スペクトルにより評価した結果、蛍光色素の導入量が低い複合体がより、ホウ素検知能が高いことが明らかとなっており、今年度の目標としては達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
複合化するCTA量を低減することで発光強度が増加する傾向が認められた。そこで、導入量の更なる低減化を行い、発光強度との関係性を評価し、導入量の最適化を進める。その後、ホウ素検知前後の試料のCHN元素分析、ICP-AESおよびFT-IRなどにより、層間内のCTA量およびホウ素量を決定する。さらにXRD測定等から層間内におけるホウ素-CTAの配向状態を推測し、発色・発光のメカニズムを明らかにする。
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