研究課題/領域番号 |
23K13455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
篠原 奈緒子 東海大学, 建築都市学部, 特任准教授 (90964445)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 照明 / 相関色温度 / Duv / 集中作業 / 心理 / 生理 / LED / 快適性 / 光色 / 照度 / 照明設計 |
研究開始時の研究の概要 |
照明のLED化により光の色を自由に作れるようになった。このため、同じと定義される白色光でも異なった光色に見える場合があり、ヒトの感じる明るさや印象が異なることが指摘されている。従来から白色光においては快適範囲が示されてきたが、異なった光色に見えることから従来の評価とは異なる可能性がある。同じと定義される白色光における光色の見えの違いを考慮した照明設計のために、居住空間における利用用途や目的に応じた快適な光色と照度の関係について、色光も含めて検討する。
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研究実績の概要 |
同じと定義される光色(相関色温度光)でも見た目が異なる(duvが異なる)ことにより印象や明るさ評価に差がみられることから、利用目的別の好ましい光色と照度の関係を調査するために、4名が同時に評価を行える3.6m角の実験室を作成し、①照明38条件についての印象評価実験と、②全38条件から集中作業に適していると考えられ抽出した8条件に対して、集中空間を想定した集中作業時の作業性および心理・生理評価を行う実験を行った。実験①、②の実験参加者は各16名であった。 実験①の印象評価より抽出された8条件の照明条件について、実験②においてモニタと用紙を用いた10分間の数独作業を行ってもらい、その作業前後の自覚症しらべと作業後の印象評価、作業成績、心拍、フリッカー値より集中作業時に最も適していると考えられる照明条件の抽出を試みた。この結果、同じと定義される光色でも作業を行った場合に有意に評価の異なる条件がみられ、これまで用いられてきた相関色温度のみならずduvも含めて評価が必要である可能性が示された。 なお、実験②では集中作業を実施する場合に好ましいと感じる光色、照度に実験対象者が設定した場合の評価も行った。提示された条件で作業する場合と、自分の好みの条件に設定した場合とで評価が異なるかを検討した結果、自身が照明条件を設定することで評価が向上する傾向がみられた。また、選定された光色は、提示された条件で作業した際に、疲労度が少ないと評価される光色が選定される傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は予定していた照度2条件、光色24条件の組み合わせ計38条件(一部の条件は照度、光色条件を限定している)を用いた実験①の印象評価実験と、実験①の結果より抽出した集中作業時の実験②を予定通り実施することができた。これらの結果より、集中作業時に好ましいと考えられる照度と相関色温度、duvの条件を抽出した。一部取得済みの物理量データを用いた検証は行えていないが、今後検証していく予定である。 なお、生理量の測定にはフリッカー値と焦点調節応答距離の測定を予定していたが、他の実験結果よりフリッカー値と心拍測定が適していると考え、焦点調節応答距離の測定を心拍測定に変更して行った。 2023年度実施した実験①の結果は2024年度に予定しているリラックス空間の実験条件の抽出も可能なデータを取得しており、2024年度も予定通りの研究を実施できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に行った実験①の印象評価の結果より、2024年度に実施する実験条件を8条件抽出する。抽出された8条件を用いて、リラックス空間を想定した被験者実験を実施する。実験室は2023年度に作成したものの内装を集中作業の空間(オフィス机と椅子の配置)からリラックスの空間(ソファとローテーブルの配置および床カーペットの変更)への見直しを行い、リラックスを想定した作業時の心理量および生理量の評価を実施する予定である。2023年度の実験②と同様に個人の好みに設定した場合の評価についても実施する。 なお、生理量の測定に焦点調節応答距離の測定を予定していたが、2023年度の実験に合わせて心拍測定に変更する予定である。 また、2023年度の成果を学会大会および論文で発表するように纏める予定である。
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