研究課題/領域番号 |
23K13461
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 慧介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50913092)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 地方都市 / 人口減少 / 都市再編 / 市街化区域農地 / 住宅需要 / 立地適正化計画 / 生産緑地 / 田園住居地域 |
研究開始時の研究の概要 |
①市街化区域農地の残存パターンと人口動態にもとづく地方都市の類型化 三大都市圏特定市以外の地方圏で,区域区分を実施している全国394市町村を対象に,市街化区域内における農地の残存パターンと人口の増減との関係を分析する。 ②地方都市の住民による農地の利用・存在機能に関する価値認識の解明 地方中核都市44自治体を対象に,「農地の利用・存在機能に関する価値認識」と居住地条件との関係を分析する。 ③地方都市の農家による市街化区域農地の営農実態と生産緑地導入意向の解明 ②と同じ44自治体における行政の動向ならびに営農実態」を明らかにし,関係主体間の協働・関連法制度運用のあり方を考察する。
|
研究実績の概要 |
急速な人口減少に伴い,立地適正化計画による都市コンパクト化の検討が進む地方都市を対象に,居住誘導区域から外れる可能性の高い市街化区域縁辺部(縁辺市街地)における周辺開発圧と農地残存パターンに基づき地方都市を類型化した上で,「農」を基盤とする縁辺市街地の再編に向けた法制度・施策のあり方を構想することが本研究の目的である。 当該年度は、農林水産省が2019年より公表している農地区画ポリゴンデータと住民基本台帳の移動報告データを用いて、市街化区域農地を有する394自治体(三大都市圏特定市を除く)を対象に、市街化区域農地の滅失の実態ならびに、市街化区域農地の滅失と人口・世帯数変化との関係を分析した。 分析の結果は下記の三点にまとめられる。第一に、対象都市を10の地方ブロック(北海道・東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄)に分類したところ、北陸・中国・近畿・四国の4地方の市街化区域において、田面積が畑面積より多いことがわかった。第二に、2021年と2022年の農地データの比較により、市街化区域農地面積は年間6.2%(うち田が7.8%・畑が4.9%)減少したことがわかった。第三に、各自治体における2021年と2022年の農地滅失面積は、2021年と2022年の転入世帯数との間にやや強い正の相関(r=0.46)があることがわかった。 以上の分析より、人口減少が進む地方都市にあっても、市街化区域農地の宅地転用による開発は依然として続いており、畑に比べ収益性の低い田が開発されやすいことがわかった。一方で、市街化区域内に収益性の低い田を多く多く有している地方・都市も存在しており、そうした「田の多い都市」と「田の少ない」都市との間の住宅需要構造の相違性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他の業務との兼ね合いの中で、当初想定していたほどのエフォートを割くことが困難であり、充分な現地調査等も行えなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
上記の分析をふまえ、都市レベルにおける農地の滅失および人口動態と、農業算出額や小売業販売額といった統計データとの関係を分析・整理する。さらに並行して、地方圏において生産緑地制度を導入している14自治体を対象として、生産緑地制度の導入に至った経緯やその促進要因について、調査を進める。
|