研究課題
若手研究
日本では現状、所有者の合意形成の課題から建替えや区分所有権の解消が困難であり、既存のマンションを長期間活用していくことが求められる。本研究は、大規模・長期ミクロデータを用い、区分所有マンションにおける大規模修繕・リノベーションが、資産価値の維持に効果を発揮しているかを明らかにすることを目的とする。特に、①大規模修繕に向けた積立を弱める集団的意思決定が生じる可能性、②経年減価が過度に進んだ後にしか各所有者によるリノベーションが実施されず、十分にその効果を発揮できていない可能性を検証し、資産価値を長期間にわたり維持する方策の提示を試みる。