研究課題/領域番号 |
23K13466
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷川 陸 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (70968528)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 風致 / 景観 / 都市計画 / 公園 / 河川改修 / 歴史的風土 / 眺望景観 / 開発許可制度 / 公園緑地 |
研究開始時の研究の概要 |
都市形成に係る多様な開発行為を総合的かつ一体的にマネジメントする制度として、戦前期には各都市で風致地区制度が運用されていた。しかし、実際の制度運用や指導・協議の内実は解明されておらず、個別の開発許可事例の体系化による有効性の評価が求められる。本研究では、積極的な景観保全施策が展開されてきた歴史都市を対象に、開発と風致保全の両立を目指す景観整備手法の歴史的展開を明らかにする。具体的には、①風致地区制度に基づく建築物等の和風デザイン指導、②歴史的風土保存・まちなみ景観保全の計画思想と保全・整備手法、③近代治水技術と風致保全の両立を目指した一体的な景観形成、について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度の成果として、風致地区制度導入以前・以後の治水政策と風致保全の両立の実態と、まちなみ整備の資料調査を進めた。京都と奈良、兵庫を中心に資料の分析を行った。成果の一部として、「大正期京都北郊における大典記念博覧会の「遊園」構想と鴨川鉄道計画」土木史研究講演集(Vol.43、pp.39-48、2023)にて発表を行った。同論文は追加の資料調査を終え、査読論文として発表予定である。 1)京都府では、風致地区制度設立以前から北部を中心に市街地の形成の計画が立てられ、公園緑地や河川、住宅地、道路等の一体整備が図られたことが明らかになった。また、その実現においては、現代の官民連携手法の先駆けともいえるような民間参画の方法が取られたことや、神社や水利、眺望といった既存の風致を最大限に活用した計画が立てられ、後の風致地区指定の基礎となったことが明らかになった。 2)風致地区制度の導入後については、第三者機関である風致委員会が設置され、国と府市との協議体制が構築されたこと、また、風致地区制度に基づく指導・協議プロセスよって、治水と風致を両立するような設計変更が行われたことを明らかにした。 3)歴史的まちなみの整備については、兵庫県におけるまちづくり会社の取組みと、奈良町の景観形成地区内での自主条例の取組みを明らかにした。奈良町では、行政担当者の和風デザイン指導によって、伝統的な町並みに調和する建築物が創出され、町並みの連続性の保全が図られたことを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、風致地区における建築物の和風デザイン指導に関する資料調査、戦後の古都保存やまちなみ整備に関する資料調査を中心に行った。成果の一部を「大正期京都北郊における大典記念博覧会の「遊園」構想と鴨川鉄道計画」土木史研究講演集(Vol.43、pp.39-48、2023)として発表した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、風致地区以前の京都の河川改修にみる一体的な景観形成、宇治の公園都市構想と風致地区の制度運用の連続性、奈良町のまちなみ景観保全・整備手法とその効果、について発表と論文執筆を進める。
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